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ストックオプション組成支援

ストックオプションの組成支援(税制適格SO、有償SO)

クライアントの課題

クライアントの会社概要

  • 売上2億円未満
  • 従業員15名
  • IT業(AI関連)

 

税制適格ストックオプションと有償ストックオプションの同時発行の組成も検討。

クライアントはスタートアップ・ベンチャー企業である。既にストックオプションを発行しているが、新たに追加でストックオプションの組成を検討していた。税制適格要件を満たせない対象者へのストックオプション付与も考えており、有償型の組成も含めて検討することになった。

IKPのソリューション

ストックオプションの導入に伴い、税制適格、有償型の2パターンのメリット・デメリット等について整理しながらスキーム検討。検討の結果、税制適格と有償型ストックオプションの同時発行を選択し具体的な組成を行った。

クライアントはスタートアップ・ベンチャー企業である。既にストックオプションを発行しているが、新たに追加でストックオプションの組成を検討していた。税制適格要件を満たせない対象者へのストックオプション付与も考えており、有償型の組成も含めて検討することになった。

1.税制適格SO、有償SOの論点整理

ストックオプション(以下、「SO」と略する)のスキームは大きく分けて税制適格SO、有償SOの2つがある。 税制適格SO、有償SOには、それぞれの特徴やメリット・デメリットがある。

 

  税制適格SO 有償SO
付与対象者

・取締役及び従業員に限定(2019年税制改正で高度人材も)

・大株主は除外

付与対象者は限定しない。
払込 無償SOのため払込なし。 有償SOのため払込あり。
取得者の税制 適格要件をすべて満たしていれば分離課税。そうでなければ給与課税。M&A時に有償で買い取られたら給与課税。 分離課税。
権利行使期間 2-10(or15)年縛り(適格要件) 特に決まりはない
権利行使価額 付与契約締結時の株価以上が要件 特に決まりはない。ただ、発行時の株価以上とするのが一般的。
基準株価の考え方 税務的にはセーフハーバールールに従えばよい。但し、会計上の費用処理問題に関連して、会計上の株価評価が必要なケースあり。 会計・税務の両サイド観点から総合的に判断する。
評価の有無

・無償なので払込のための評価は不要。

・上場企業の場合は会計処理のために必要。

必要(払込金額を確定するため)
評価方法 ブラックショールズモデルが一般的 業績条件や株価条件が付されればモンテカルロシミュレーション。それ以外はブラックショールズモデルで対応
業績条件等 普通は付けない。 付けることが多い(株価が低ければ付けない)
退職時失効 一般的に付けることが多い。 一般的に付けることが多い(外部協力者の場合は有効な契約関係が継続していることを条件とする)
ベスティング条項 付けられるが権利行使スタートは2年後なので実質的に2年間はベストできない。 付けられる
アクセラレーション条項 ・付けられるが権利行使スタートは2年後なのでその前のM&Aは対応できない。 付けられる
非上場企業の上場条件 スタートアップ企業の場合、上場しないと権利行使できない条件を付すのが一般的。
費用感(法務を含む。) 50万円~ 100万円~

2.スキームの決定

クライアントと上記の論点を議論し、適格要件を満たす者には税制適格SOを発行し、適格要件を満たさない者には有償SOを組み合わせて組成することとした。

3.具体的な内容の検討

税制適格SOと有償SOを採用することになり、具体的に以下の点について検討した。

 

付与対象者、発行数の検討

  • 付与予定者の中から税制適格SOの要件を満たす者と満たさない者を峻別し、まず税制適格SO対象者と有償SO対象者のそれぞれの付与数について検討した。また、SOの発行数については現状の投資契約書の内容、今後の資本政策をベースに具体的な発行数を検討した。

 

基準株価と権利行使価額の決定

  • 基準株価については、直近のファイナンス株価、税務上の時価、直近の株式売買事例などを参考に検討した。会計上と税務上の両方の観点から検討した。

 

業績条件の決定

  • 具体的にどのような業績条件を付すかはSO評価額のテスト結果をもとに決定した。
  • 業績条件を厳しくすればSO評価額(SOの払込金額)は下がり、緩くすれば上がる。
  • 有償SO取得者の負担感を考慮しつつ、投資家へ提出した事業計画をベースに具体的な業績条件を決定した。

 

権利行使期間

  • 適格要件を満たすマックスの権利行使期間を採用した。有償SOについても税制適格SOと平仄を合わせて同じ期間に決定した。

 

アクセラレーションの検討

  • M&A時にアクセラレーションするか具体的に検討した。スタートアップ企業がM&Aを受けた際の一般的な内容を説明したうえで、アクセラレーションを組み込むべきかどうかを検討した。

 

ベスティングの検討

  • スタートアップ企業で最近よく導入されている「上場ベスティング」について検討した。スタートアップ企業のSO設計では基本的に上場するまで権利行使できない未上場失効条件と退職すると失効する退職時失効条件を付すのが一般的である。このため、上場できた場合、上場のタイミングで権利行使するとともに退職者が大量に出てしまうリスクがある(創業者ではなく役職員たちの上場ゴール)。これを防ぐために上場してすぐにすべてのSOを行使できないように「上場ベスティング」を設けることがある。
  • 通常の「就業ベスティング」についても検討した。一般的に言われている「1年クリフ、4年ベスト」をベースに就業ベスティングについても検討した。

 

退職時失効の検討

  • 退職時にSOが失効する退職時失効条件について付すかどうか検討した。一般的に、この条件を付すことが多いが、最近では「今まで会社に貢献してくれた分まで取り上げる必要はない」ということで退職時失効条件を付さないケースもある。就業ベスティングと合わせて退職時失効の検討を行った。

 

Drag Along条項の検討

  • Drag Along条項(強制売却請求権)を付すかどうか検討した。M&Aにおける売却がスムーズになるためDrag Along条項を付すのが一般的である。

 

株主総会決議日等のスケジューリング

  • 取締役会日、株主総会招集通知日、株主総会決議日、払込期日などの具体的な決議スケジュールを検討した。

 

SO評価額の算定

  • 上記の設定されたパラメータをベースにモンテカルロシミュレーションでSO評価額を算定した。

4.プロジェクト管理

上記の具体的な内容を踏まえ、タームシートを作成のうえ、提携弁護士事務所に法務書面(議事録等)の作成を依頼し、タームシートの内容がすべて法務書面に反映されているか確認した。

 

また、決議、登記、払込などがスケジュール通りに行われているかプロジェクト管理を行った。

導入事例

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