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今日は、本日日経朝刊12面、日立ハイテクの話題から。
<2012年8月29日 日経朝刊12面記事要約>
・半導体製造装置大手の日立ハイテクノロジーズが海外で相次ぎ開発拠点を開く。
・初の海外拠点となる米オレゴン州ポートランド近郊は13年9月に開設。シリコンウエハーに回路を形成するエッチング装置の開発・設計から製品試作まで一貫して手掛ける。徒歩圏内に主要拠点があるインテルなどとウエハーの大型化に対応した装置の開発を急ぐ。
・ファウンドリー世界最大手の台湾TSMCの本社がある台湾の新竹市に開発や半導体試作などが出来る拠点を開設。
・14年度には、米テキサス州ダラスにも同様の拠点を設け、ファウンドリー2位の米グローバルファウンドリーズと連携する。
・現在、エッチング装置の開発・設計は山口県下松市にある拠点で行っている。今後も基幹部品の研究についてはこの拠点で続け、海外拠点では顧客の要望を装置に迅速に反映していく。
・世界半導体市場統計(WSTS)によれば、ここ5年で日本の半導体市場が7%近く減少する一方、米国・アジアは3割以上伸びた。
<記事要約ここまで>
今日は、半導体製造装置メーカーについて簡単に確認していきます。
◆半導体製造装置メーカーのステイタス
半導体の製造工程に応じて、いろいろな装置があるので、特化系の装置メーカーだったり、半導体製造工程のすべての装置に対応したものを作るメーカーだったり、さまざまです。
先日、BizBlogで取り上げた、インテルが出資したASMLは、半導体製造の中で露光装置で圧倒的なシェアをもっている会社です。
■ 2012/07/11 インテル、次世代技術に的 半導体装置大手ASMLに出資
半導体製造装置の最大手は米アプライドマテリアルで、ほぼすべての工程に対応した装置を提供できる企業と言われています。
日本では、世界2位の東京エレクトロンが有名です。
特化系では、検査装置(テスター)のアドバンテストが筆頭ですね。アドバンテストは、米ベリジー(Vegiry)を半年ほど前に買収して規模を拡大しています。テスター(検査)の競合は米・テラダイン(Teradyine)あたりでしょうか。
それ以外には、今話題の露光装置のニコン、洗浄装置の大日本スクリーン、そして、日経に取り上げられたエッチング装置の日立ハイテクあたりですね。
露光装置は、キヤノンもニコンに次ぐ規模です。
日立ハイテクは、エッチング装置を取り扱う「電子デバイス」セグメントの売上は約1000億円程度ですが、全社レベルで売上が約6500億円ほどの規模を持っており、電子部材系の商社機能を持っているのが特徴的です。
下記は、東京エレクトロン、アドバンテスト、日立ハイテクの3社の財務情報を並べておきましょう。
【単位:百万円、営業利益率はパーセント】
企業名 | 東京エレクトロン | アドバンテスト | 日立ハイテク |
---|---|---|---|
証券番号 | 8035 | 6857 | 8036 |
会計基準 | 日本 | SEC | 日本 |
決算期 | 3月 | 3月 | 3月 |
特徴 |
世界1位の米アプライドマテリアルを追う世界2位。国内最大の装置メーカー。全工程をカバーしている。 |
世界最大手の検査装置企業(テスター)。米ベリジーを買収し、規模拡大。 |
エッチング装置大手。東京エレクトロンとエッチング装置で競合。業態は半導体系の商社がメイン。 |
直近決算の状況(2012年3月期) |
|||
売上高 |
633,091 |
141,048 |
645,865 |
営業利益 |
60,443 |
837 |
25,459 |
当期純利益 |
36,725 |
-2,195 |
14,265 |
営業利益率 | 9.55 | 0.59 | 3.94 |
今期(2013年3月期)の業績予想 | |||
売上高(予) | 530,000 | 150,000~170,000 | 660,000 |
営業利益(予) | 20,000 | 12,000~20,000 | 30,000 |
当期純利益(予) | 14,000 | ー | 18,800 |
営業利益率(予) | 3.77 | 7.05~13.33 | 4.54 |
財務データベース | |||
財務DB(年度) | 東京エレクトロン.pdf | アドバンテスト.pdf | 日立ハイテクノロジー.pdf |
日経の記事にもあったように、日本の半導体需要は工場の海外進出もあって減少傾向にあります。
一方で、クラウド技術の発展、スマホを含めてIT端末の普及など、世界レベルでの半導体需要は高まっていることが容易に想像できます。
日本の完成品メーカーを含めて半導体メーカーが元気がなくなってきている中で、半導体装置メーカーはおのずと元気のある半導体メーカーの近くへ物理的にも移転してしまうのは仕方ないところかなとも思えます。
半導体メーカーのエルピーダの更生計画の問題やルネサスのLSI事業の問題、完成品メーカーのシャープやソニーの問題など、業界全体として分岐点にきているかもしれませんね。
今後の半導体業界の方向性について、注視していきたいですね。
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