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今日は、日経朝刊9面のビール業界の記事からです。
<2012年4月17日 日経朝刊1面>
・東芝は今夏をメドに上場子会社の東芝テックを通じて、IBMのPOS事業を700億円前後で買収する見通し。
・IBMはPOS端末の世界市場で22%の世界シェアを握り首位。東芝テックは日本国内が中心で世界シェア7%の世界4位。ただシステム構築サービスを含めた関連売上高は約1700億円で端末販売が中心のIBMを上回っているとみられる。
・IBMはウォールマートやトイザラスなどグローバル企業を顧客に持ち、インドなど新興国に販路を広げている。
・東芝はPOSシステムを通じ、店舗や来店客、消費財メーカーなどが情報やサービスをやりとりするクラウド事業を強化する。
・IBMはHDD事業を日立製作所、パソコンは中国レノボ、デジタル印刷機事業はリコーに売却。「脱ハード戦略」を進めており、その一環とみられる。
・東芝はスマートメーターのランディスギアを1900億円で買収しており、情報端末を世界規模で押さえ、クラウド事業を強化する戦略。
【記事の要約はここまで】
東芝のIBMのPOS事業買収の話題です。
東芝はいよいよ情報端末取りを拡大していきそうですね。
◆東芝の業績推移
東芝の業績は以下のとおりです。
<東芝の売上推移>
<東芝の営業利益・最終利益、営業利益率の推移>
<東芝のセグメント状況>
リーマンショック時に赤字となっていますが、それ以外は順調に利益を確保しているように思われます。
【リソース】IKP財務データベースより
今期の2012年3月期は、円高や欧州ショックなどにより減収減益の予定です。
特に、テレビ等のデジタルプロダクツ部門で減収・悪化となり、第3四半期時点で2000億円の減収、343億円の減益でした。営業損益に関して言えば、デジタルプロダクツ部門は第3四半期累計で100億円の赤字となっています。
以前からBizBlogでもたびたび取り上げているように、テレビなどのデジタル家電等はどの電機会社も厳しい状況に直面しています。
■ 2012/04/12 ソニー 2015年3月期 営業利益率5%狙う
■ 2012/04/02 東芝・日立・ソニー統合会社 液晶、製品別に最適生産
■ 2012/03/28 シャープ EMS世界最大手 鴻海(ホンハイ)と資本業務提携
こうした状況の中で、日立あたりはインフラ系へシフトを鮮明しています。
東芝も原子力関連事業などを含め重電・社会インフラ系へのシフトを強めています。
また、一方でスマートグリッド関連にも力を入れており、日経の記事にも出ていたようにスマートメーター世界大手のランディスギアを23億ドルで買収しています。
■ 2011/12/29 シンガポールの電力量計大手 大崎電気がTOB
ランディスギアの買収は、発送電事業を含めた重電ビジネスを展開している東芝ならではの買収でしたが、スマートグリッドビジネスだけでなく、いわゆるスマートメーターを通じた”端末”を押さえにいっているあたりはさすがと言えます。
最後に日立製作所と東芝の株価をみてみましょう。
<2012年4月17日 日立製作所(6501) 1年週足チャート>
<2012年4月17日 東芝(6502) 1年週足チャート>
【リソース】SBI証券より
日立製作所が見直されて1段あげているのに対し、東芝は少し足元でもたついている感じを受けます。
NECや富士通も含めてクラウド・コンピューティングやビッグデータを利用したビジネスの拡大は今後も見込まれます。
フラッシュメモリでは韓国のサムスンなどに押されているところから、次の事業転換をさらに加速させる必要があるかと思います。
IBMも脱ハード戦略を鮮明にし、世界トップシェアの事業までも売却していくあたりがドラスティックですね。
今後も展開が面白そうです。
以上
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