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今日は、日経朝刊13面のニチレイの記事についてです。
【記事要約】
・ニチレイはベトナムの食品大手、チョリメックス・フーズ(ホーチミン市)と資本業務提携する。チョメリックスに約2割を出資し、冷凍食品の製造技術などを供与。将来は出資比率を引き上げて、東南アジア一帯の生産・販売拠点に育てることも検討。成長が見込まれるベトナムなどの冷凍食品市場で足場を築く。
・冷凍食品大手がベトナムで拠点を構えるのは初めて。
・チョメリックスは地元料理に使うチリソースで首位のシェアを持つなど、調味料が主力のメーカー。冷凍食品は欧州への輸出を中心に手掛ける。売上高は単価が低いため、20億円と低いが年3割増のペースで伸びている。
・ニチレイはチョメリックスに役員を派遣、まず冷凍食品の品ぞろえ拡充に協力する。現状は海老フライなど、素材を単純に加工した製品が多いが、空揚げなどニチレイが持つ多様な調理品の製造ノウハウを供与し、新製品を開発する。
・東南アジアの冷凍食品の市場規模は、ベトナムが100億円弱、日本や欧米向けの生産拠点が多いタイでも250億円程度。約8,300億円の日本に比べれば未だ立ち上げ期だが、今後の経済成長や所得水準の向上に伴って膨らむ可能性が高い。
・ 新興国では欧米資本などに比べて、進出が遅れた日本企業は後発の不利を跳ね返せないケースも多い。ベトナムは外資系の冷凍大手が未進出。いち早く乗り込み、市場拡大を主導して優位を固める考え。
・ニチレイは約1,600億円の食品事業で海外売上高比率が5%にとどまる。東南アジア市場を攻めることで、早期に10%以上に高める。
ニチレイの海外進出の記事でした。
調味料の分野では、以前、味の素やキッコーマンが、海外進出に力を入れる中、キューピーは海外進出があまり進んでいないとビズブロでも取り上げました。
一方、冷凍食品大手の業績及び海外売上高情報はどうでしょうか。
冷凍食料品大手3社のステータスを見てみます。
ニチレイ | 味の素 | JT | |
証券番号 | 2871 | 2802 | 2914 |
直近年度決算期 | 平成23年3月期 | 平成23年3月期 | 平成23年3月期 |
直近売上高(百万円) |
437,808 |
1,207,695 |
6,194,554 |
直近営業利益(百万円) |
16,681 |
69,374 |
328,680 |
直近営業利益率(%) | 3.81 | 5.74 | 5.31 |
海外売上高率(%) |
10%未満のため開示されず | 33.5 | 43.1 |
年度個社財務情報(当社DB) | |||
年度比較財務情報(当社DB) | |||
四半期個社財務情報(当社DB) |
|||
四半期比較財務情報(当社DB) |
|||
冷凍食品事業の属する セグメント名 |
加工食品事業 |
国内食品事業および 海外食品事業 |
食品事業 |
冷凍食品事業の属する 直近セグメント売上高(百万円) |
161,888 | 692,364 | 375,132 |
冷凍食品事業の属する 直近セグメント営業損益(百万円) |
4,609 | 59,892 | 17,277 |
冷凍食品事業の属する 直近セグメント営業損益率(%) |
2.84 | 8.65 | 4.60 |
JTはたばこ産業があるため一概には言えませんが、味の素、JTともに海外売上高比率は高いですね。味の素は海外食品事業を1つの報告セグメントとして抱えています。
一方、ニチレイは記事にもありましたが、10%にも満たない水準です。
ニチレイにスポットを当ててさらに詳細に見てみます。
<ニチレイ セグメント別業績状況>
(ニチレイHPより)
※セグメントの内容
加工食品:調理冷凍食品・農産加工品・レトルト食品・ウェルネス食品・アセロラ・包装氷の製造・加工・販売、コンサルティング
水産 :水産品の加工・販売
畜産 :畜産品の加工・販売、肉用鶏の飼育・販売
低温物流:輸配送サービス・配送センター機能の提供、物流コンサルティング、保管サービスの提供、凍氷の製造・販売、建築工事・設計
不動産 :宅地の分譲、オフィスビル・駐車場の賃貸、不動産の管理、蘭の生産・販売
ニチレイというと冷凍食品を代表に加工食品のイメージが強いですが、物流関係の売上高もかなりのシェアを占めていますね。
今回のメインテーマの加工食品事業はどうかというと、売上高は過去5期のジリ貧状態のようです。
実際、売上高の10年間の推移を見てみると横ばい、もしくはジリ貧状態であることがさらに明確にわかります。
<ニチレイ 10年間売上高推移>
一昨日のビズブロでも飲料大手が、国内市場の縮小を見越してクロスボーダーのM&Aに積極的であるというニュースを取り上げました。
加工食品大手のニチレイも例外ではなく、今後益々の海外展開が求めれれていくことが予測されます。
食料品の分野で海外進出の先発組と後発組。今後の成長にどう影響してくるのか、数年後の業績に注目したいところです。
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