株式会社インターナレッジ・パートナーズ IKP税理士法人

2012/02/21 野村不動産 マンション各戸にスマートメーター

現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。

今日は、野村不動産が分譲マンションにスマートメーター導入との記事についてです。

 

【記事要約】


野村不動産は分譲マンションの各戸にスマートメーター(次世代電力計)を設置し、電化製品を分散利用すると電力料金が1割程度安くなるシステムを導入

・各世帯が戸別に電力会社から購入するマンションの一般的な電力契約ではなく、野村不動産の提携企業が棟全体で電力会社から一括で購入するため、自由な料金設定が可能となる

料金単価は出力状況に応じ1キロワット時当たり20円、30円、40円といった具合に3段階程度に設定。例えば電子レンジと食洗機の同時使用を控えると適用単価が下がり、その時間帯の電気代が節約できる。電化製品の分散利用を促し、電力使用のピークを下げる仕組み。分散利用によるピークオフ効果と一括購入により、通常のマンションに比べ電気料金は1割程度安くなると見ている。

・各棟の電力使用状況をインターネットで野村不動産の管理センターに集約。スマートシティ(環境配慮型)やスマートグリッド(次世代電力網)にも対応できるようにする。太陽光発電システムと蓄電池を併用し、電力使用のピークをさらに引き下げることも検討している。

・新たな電力管理システムの名称は「enecoQ(エネコック)」。首都圏の「プラウド」をはじめ中低層型の大型物件を中心に2013年から採用し、年1千~2千戸程度の導入を目指す。

環境適応型マンションとして物件の付加価値を高め、地域電力需要のピーク抑制にもつなげる

(24年2月21日 日本経済新聞朝刊より)


 

弊社でも注目しているスマートシティ(環境配慮型都市)、スマートグリッド(次世代送電網)構想。

構想のキーになるのが、実現するための機器となるスマートメーター(次世代電力計)HEMS(家庭内エネルギー管理システム)などです。スマートメーターやHEMSなどを活用し家庭内のエネルギー消費を最適化する住宅をスマートハウスとよんだりもします。

 

ビズブロでもたびたび登場していますね。

以下に関連リンクを添付しておきましたので、忘れてしまった方は再読してみてください。

 

<スマートシティ、スマートグリッド関連>

 2011/10/11 富士通 福島県にスマートシティ提案

 

<スマートメーターやHRMS関連>

2012/01/23 東京電力、スマートメータ 1700万世帯に導入

2011/11/30 スマートハウス 住宅大手、開発を強化

 

<分譲マンション大手関連>

2011/12/07 三菱地所、三井不動産レジ、丸紅 上海近郊でマンション開発

 

今回は、分譲マンション大手の野村不動産がスマートハウスを導入するという記事でした。以前のブログでも取り上げましたが戸建住宅大手が、HEMSを導入したスマートハウスの開発を強化するなどの動きもあり、住宅のスマートハウス化が加速してきそうですね。

そんなエネルギー問題に関連して、最近は貿易赤字のニュースも盛んに報道されているため、最後に貿易赤字の問題も触れてみたいと思います。

 

日経Web版等の情報によると

貿易立国として成長を続けてきた日本が「貿易赤字国」に転落。貿易赤字は31年ぶり。内閣府は貿易赤字の要因を、原発停止に伴う液化天然ガス(LNG)の輸入増や、部品調達網の寸断による自動車輸出の減少など、東日本大震災による一時的な要因が大きいと分析。「日本は貿易赤字が定着したとは言い難い」と指摘しています。

 

財務省のHPの経常収支の推移表を添付します。

【出所:財務省HP】

http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg2011cy.htm

 

31年ぶりに貿易赤字に転落しました。

東日本大震災に端を発した貿易赤字ですが、欧州危機やそれに伴う世界経済の減速など製造業の輸出の回復は今後も不透明ですし、東日本大震災による原発停止に伴う液化天然ガス(LNG)などの輸入が増加はしばらく続きそうです。

 

日本の対GDP比の国債などの債務残高の高さは主要先進国の中で最悪の水準にあります。

 

日本の財政問題は以下のリンクなどを参考にしてください。

財務省(日本の財政を考える) http://www.zaisei.mof.go.jp/theme/theme4/

 

そんななか、日本の国債の信用が維持できるのは、経常黒字国かつ国債の国内消化率が高いためといわれています。

キャッシュ・フロー的には海外から稼いだお金で国債を消費している構造です。

 

貿易収支が赤字でも現在は、海外から得られる利子や配当などの所得収支の黒字額を下回るため経常収支は黒字です。

しかし、円高の影響で企業は工場などの生産拠点を海外に移転し始めており輸出が減少しかねない環境の中、さらに今後のエネルギー政策の舵取りによっては、さらに貿易赤字が拡大し今後は経常赤字になる懸念もあります。 

経常赤字国になれば国債は国内で消化しきれず海外資金に頼らざらなくなるでしょう。そうなればデフォルトリスクが顕在化する可能性があります。

 

エネルギー問題は、日本の財政にも影響を及ぼす重要な論点といえます

 

脱原発などを含めエネルギー政策という国家レベルでの影響、スマートシティ・スマートハウスなどのライフスタイルやビジネスへの影響、貿易収支への影響など財政問題への影響など多面的なトピックです。

 

今後もエネルギー問題をマクロ、ミクロの両面から注視していきたいと思います。

前へ  次へ

現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。

お問い合わせ

PAGETOP