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今日は日本経済新聞の朝刊が休みなので、2月12日(日曜)のファナックの記事について取り上げてみます。
【記事要約】
・ファナックは茨城県筑西市を拠点に新工場を建設、年内に生産能力を現在の2倍に増強、国内で工作機械の大幅な増産に乗り出す。
・スマートフォン市場の拡大を受け、主要部品を造る工作機械の需要が急増しているのに対応。出荷先の大半は海外だが、円高下でも国内集中で量産効果と追求する方が価格競争力を高められると判断。
・増産するのは「ロボドリル」と呼ぶ工作機械で、金属の塊からスマホのフレームなどを削りだすのに使う。
・今年12月までに、 筑西市の拠点に組立工場2棟と部品加工工場を新設。部品加工工場は産業用ロボットを大量投入し、ほぼ無人で昼夜連続操業する体制とする。集中生産で設備の稼働率を高め、部品1個当たりの加工費を抑制。国内外で分散生産するより低コスト化が可能となり、現行の円高水準でも価格競争力を維持できるという。
・国内立地を生かして研究開発部門と緊密に連携し、主要顧客である中国や東南アジアのEMSからの仕様変更などの要請にも即応する。
・中国や欧州景気の減速で自動車工場向けなどの出荷が鈍る懸念がある中、積極投資で成長が続くスマホ向け需要を取り込む。
パナソニックやソニーなどの日本を代表をするメーカーが大幅赤字に転落しリストラや工場閉鎖が行われる中、増産体制しかも国内での増産体制を強化するファナック。
垂直統合、自前主義にこだわるあまり、EMS(電子機器製造請負サービス)を利用したファブレス経営へのシフトへ乗り遅れた、パナソニックやソニーなどとは対照的に、EMSの成長も取り込んでいるようです。
そのほか、今回の記事にもありますがロボットをロボットを生産するなど、ファナックの強さは、過去のビズブロでも取り扱いましたね(以下参照)。
■ 2011/12/21 ファナック 産業用ロボ新工場稼働 国内生産へのこだわり
今回は直近の四半期状況を以下まとめました。
高い利益率を保ちながら、今期は前期比120%の売上高を見込んでいます。 円高環境の中でも国内生産へのこだわりは、業績に裏打ちされた自信の表れですね。
<当社財務データベース>
■ ファナック 四半期財務情報(2012年3月期).pdf(2012年3月期第3Qの決算短信は含まれていない)
<ファナックHPより>
2011年3月期 (第1四半期累計) |
2011年3月期 第2四半期(累計) |
2011年3月期 第3四半期(累計) |
2011年3月期 年度(業績予想) |
|
売上高 | 131,454 | 266,414 | 403,169 | 534,000 |
営業利益 | 55,013 | 116,568 | 168,812 | 236,000 |
経常利益 | 56,773 | 119,538 | 173,563 | 243,000 |
当期純利益 | 34,677 | 74,222 | 105,960 | 150,000 |
売上高経常利益率 | 43.19% | 44.87% | 43.04% | 45.50% |
売上高進捗率(対業績予想) | 24.61% | 49.89% | 75.49% | ー |
経常利益進捗率(対業績予想) | 23.36% | 49.19% | 71.42% | ー |
※2011年3月期第3四半期(累計)および2011年3月期年度(業績予想)は決算短信より
最後に今回の記事で取り上げられてた金属の塊からスマホのフレームなどを削りだすのに使う「ロボドリル」の画像を参考までに添付しておきます。
ファナックの快進撃はどこまで続くのか楽しみです。
【ロボドリル(ファナックHPより)】
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