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2012/01/05 コマツ 経営者が選ぶ有望銘柄ランキング1位

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あけましておめでとうございます。 旧年中は格別のお引き立てを賜り深く御礼申し上げます。

本年もIKPグループおよびBiz Blog(ビズブロ)をよろしくお願い致します。 

 

今年は、四半期報告書のXBRL情報や銀行業などの金融業のXBRL情報のデータベース化など、Biz Blog(ビズブロ)もさらにパワーアップする予定です。引き続きご愛読お願いします。

 

 

日本経済新聞で毎年年始に上場企業の主要経営者の予測するその年の株式相場の有望銘柄のライキングが掲載されています。今年は総合1位に2連続で建設機械の”コマツ”が選ばれています。(日本経済新聞2012年1月3日朝刊)

  

そこで新年1回目のビズブロは、建設機械業界およびコマツを俯瞰してみたいと思います。

 

ちなみにランキングの2位が”信越化学工業”、3位は”三菱商事”、4位は”東レ”、5位は”トヨタ自動車”となっています。

 

まずは、建設機械メーカーの国内大手のステータスを見てみます。 なお、産業用車両であるフォークリスト大手の豊田自動織機も含めています。

 

コマツ 日立建機 豊田自動織機
直近売上高(百万円) 1,843,127 773,769 1,479,839
直近営業利益(百万円) 222,929 41,511 68,798
直近営業利益率(%) 12.10 5.36 4.65
個社財務情報(当社DB)  コマツ.pdf 日立建機.pdf 豊田自動織機.pdf
比較財務情報(当社DB) 3社比較.pdf
直近セグメント情報 下記参照 下記参照 下記参照
直近海外売上高情報 下記参照 下記参照 下記参照
強み

油圧ショベルに強い

中国に強い

油圧ショベルに強い

インドに強い

フォークリフトに強い

 

<セグメント情報・海外売上高情報> 

■ コマツ

<建設機械・車両>

掘削機械、積込機械、整地・路盤用機械、運搬機械、林業機械、地下建設機械、資源リサイクル機械、産業車両、その他機械、エンジン、機器、鋳造品、物流関連

 

<産業機械他>

鍛圧機械、板金機械、工作機械、防衛関連、温度制御機器、その他 

 

■ 日立建機

<建設機械事業>

油圧ショベル、ミニショベル、ホイールローダ、クローラクレーン

<産業車両事業>

フォークリフト、トランスファークレーン、コンテナキャリア 

 

■ 豊田自動織機

<自動車> 車両、エンジン、カーエアコン用コンプレッサー、鋳造品、電子機器

 

<産業車両> フォークリフト、ウェアハウス用機器、自動倉庫、高所作業車

 

<物流> 陸上運送サービス、集配金・売上金管理サービス、情報保管管理・集配サービス

 

<繊維機械> 織機、紡機

 

<その他> 半導体パッケージ基板

 

(各社有価証券報告書やIR情報より)

 

コマツ、日立建機ともに、油圧ショベルなどの建設機械に強く、一方、豊田自動織機はトヨタ自動車系列ということもありフォークリフトなどの産業用車両に強いですね。また、コマツ、日立建機ともに、連結売上高の50%超も中国・アジア・アフリカなど新興国を占めています。株式市場で新興国銘柄といわれる所以はここにあります。

コマツに焦点当てて過去の業績推移を見てみます。(以下単位は百万円、リソースはコマツIR情報より)

 

【株価チャートはSBI証券より】

売上高、営業利益ともに右肩上がりです。これに連動して株価も右肩上がりです。経済成長著しい、中国などの新興国の建設需要を取り込み成長を果たしてきました。

リーマンショック後、世界経済の混乱により急速に業績は縮小しましたが、2012年3月期売上高は2兆円台へ回復する見込みなど、ここ最近でまた勢いを増してきました。

 

余談ですが、こうして株価チャートと照らすと、株価は約1年前の業績を織り込み動いていることもわかります。2011年後半に株価が低迷しているのは、2013年3月期を予測しての動きでしょうか。

 

 

さらに2012年1月5日の日本経済新聞朝刊の特集記事「会社研究」でコマツの戦略について下記点を指摘しています。


・鉄鉱石鉱山でコマツの無人ダンプトラック躍進。無人ダンプはGPSを使い、決められたコースを走る仕組み。08年にコマツが世界で唯一、実用化。(無人ダンプは下記写真参照)

・連結売上高、営業利益ともに過去2番目を見込む12年3月期。業績拡大の牽引役は鉱山機械と交換部品の販売。鉱山機械の交換部品は、建機・車両売上高の4割を占める。

・昨年1年間で株価が27%下落したが、昨春から続く中国の建機需要の急激に投資家の目が奪われている。建機・車両セグメント売上高に占める中国比率は、今期見通しで14%と中国関連銘柄とみなすと実像を見誤るコマツが描く成長戦略の核は鉱山機械と部品にある


 

【コマツの無人ダンプ(コマツHPより)】 

 

セグメント別、地域別の売上高の過去5年間推移をグラフ化してみました。

 

建設機械の北米や欧州の鈍化を中国などのアジアやオセアニアの成長でカバーし、業績を拡大してきたことがよくわかります。同記事で指摘しているように中国以外のアジアやオセアニアの成長も業績を牽引しています。

 

GPSを利用した無人ダンプ。実に驚きの技術です。コマツの強みはこのようなITにあるといっても過言ではありません

同記事ではITに関連して同社の部品事業の拡大にも注目しています。一部抜粋してみます。


コマツの鉱山機械や建機に情報端末を取り付け、世界に散らばる1代1台について稼働状況を日々把握している需要を正確に予測し、機械本体の生産計画に役立てるのが目的だが、これが部品販売でも生きる。「足回り部品の交換時期ですよ」。稼働が一定時間に達した顧客を訪れ、代理店のサービスマンが提案する。


 

ITを活用し、建機業界にイノベーションを起こしたコマツの戦略には感銘を受けますね。

最後に、建設機械といってもなかなかピンとこない方が多いと思いますので、いくつか建機の画像を添付しておきました。 

【コマツHPより】

 
<ミニショベル> <ブルドーザ> <ホイールローダー> <ダンプトラック> <不整地運搬車>

 

 

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