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2011/11/10 ソニー 復活なるか!?

現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。

11月9日および10日の日本経済新聞でソニーの会社研究記事が掲載されていました。

記事のポイントは下記のとおり。

 

2012年3月期も最終赤字の見通しで、4年連続の最終赤字となる
液晶パネルの供給過多より特にテレビ事業の赤字が過去最悪レベル
携帯電話事業はエリクソン(スウェーデン)との合弁会社である「ソニー・エリクソン」が手掛けていたが、開発などソニー本体と合弁会社でバラバラ。ゲーム機、タブレット端末、携帯電話機との境界線が薄れているなか環境変化に適用できず。結果的に2012年1月に合弁を解消し、ソニー・エリクソンを完全子会社化の予定 
巨艦ソニーは経営スピードが鈍り、製造現場は市場の変調に対応できない
最近は自前の組み立て工場を持たない「アセットライト戦略」で、リスクを減らしている
新たな成長策「4スクリーン戦略」を掲げる。スマートフォン、タブレット端末、パソコン、テレビの画面のサイズの異なる4製品に、ひとつのプラットフォームで映画や音楽などのコンテンツを提供し、顧客を囲い込む狙い。

 

環境の変化へのスピードの遅さを指摘してますね。 

 

それでは、最近のソニーの財務情報の推移は俯瞰してみたいと思います。

 

ソニー_個社財務情報.pdf

 

直近で営業損益は回復しているものの、繰延税金資産の取り崩しなどので大幅赤字です。

 

さらにセグメント別に見てみます。

 

まずは、ソニーのセグメント内容について。やはり、規模としては圧倒的にコンシューマービジネスが大きいのと、電気機器のみならずコンテンツ事業も幅広く展開していることがわかりますね。

 

<セグメント内容>

セグメント 主な内容  主要会社

 直近売上高

(百万円)

構成比

(%) 

コンスーマープロダクツ&サービス

    
テレビ:液晶テレビ

ソニー

ソニーイーエムシーエス

ソニーマーケティング など

3,849,833

  53.6 

デジタルイメージング:

ビデオカメラ・デジタルカメラ、レンズ交換式一眼カメラ

ソニー

ソニーイーエムシーエス

ソニーマーケティング など

ホームオーディオ・ビデオ:

ブルーレイディスクプレーヤー/レコーダー

家庭用オーディオ、カーオーディオ など

ソニー

ソニーイーエムシーエス

ソニーマーケティング など

ゲーム:

ゲーム機、ソフトウェア、オンラインサービス

ソニー・コンピュータエンターテイメント など

パーソナル・モバイルプロダクツ:

パーソナルコンピューター、パーソナルナビゲーションシステム など

ソニー

ソニーイーエムシーエス

ソニーマーケティング など

プロフェッショナル・デバイス&ソリューション

  

プロフェッショナル・ソリューション:

放送用・業務用オーディオ/ビデオ/モニター など

ソニー

ソニーイーエムシーエス

ソニーマーケティング など

1,503,264

20.9

半導体:

イメージセンサー、その他の半導体、中小型液晶パネル

ソニー

ソニーセミコンダクタ九州 など

コンポーネント:

光学ビックアップ、電池、データ記録メディア など

ソニー

ソニーイーエムシーエス

ソニーマーケディング など

映画

映画・テレビ番組の企画・制作・配給

ソニーピクチャーズエンタテインメント など 599,966 8.3
音楽

音楽ソフトなどの企画・制作・製造・販売

アニメーションの作品の制作・販売事業

ソニー・ミュージックエンタテイメント など 470,743 6.5
金融  生命保険、損害保険、銀行、クレジットファイナス事業 ソニーフィナンシャルホールディング など 806,526 11.2
ソニーエリクソン 携帯電話の設計・開発・製造・販売 Sony Ericsson Mobile Communications AB など 447,820 6.2
その他

上記カテゴリーに含まれいない製品やサービス

広告代理店事業 など

ソニーDADCジャパン など
全社(共通)およびセグメント間取引消去

△496,885

△6.9
連結売上高 合計 7,181,273 100.0

※2012年1月に合弁を解消し、完全子会社化の予定 

 

なお、ソニーは、2011年4月1日より、グループ内での部門再編を行っています。従来は、テレビなどのコンシューマー事業とゲームやパソコンなどのネットワーク事業を別々に管理していましたが、「コンスーマープロダクツ&サービス」事業としてテレビ事業とゲーム事業、パソコン事業など1つのセグメントに再編することにしました。これも、ハードの境界線が薄れていく中での4スクリーン戦略の布石だと思われます。

 

セグメント別の売上高・営業損益状況の4半期ごとの推移をグラフ化すると下記のとおりとなります。 

 

<セグメント別売上高・損益状況> 

最近のソニーは、売上規模こそ小さいですが、金融、映画、音楽事業で稼いで、テレビなどのコンシューマービジネスの赤字を補填している収益構造になっていることが読み取れます。ソニー生命やソニー損保などが好調なんですね。

 

 

テレビ事業とゲーム事業の1事業化”や”4スクリーン戦略”。3年前に打っていれば、、、、、と思ってしまいます。

もともと、ソニーの強みは、「ハード」ではなく「ソフト」。

音楽、映画、ゲームといったコンテンツをもった電気機器メーカーは世界を見渡してもソニーくらいではないでしょうか。

 

テレビ事業の製造コスト競争でサムスン電子に敗れたとの記事をよく見ますが、近年のソニーの敗因は、”コンテンツ"の強みを発揮できなかったことに他ならないと思います。

 

スマートフォンというハードが急速に普及していますが、ハードの普及後は、ソフトやコンテンツ競争の時代になってくるでしょう。

iPhoneを世に送り出したジョブズも昔からソニーをリスクペクトしていたのは有名な話。

コンテンツの強みを生かして、昔のソニーの輝き、面白さ、創造性を取り戻して欲しいとと願うばかりです。 

 

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