株式会社インターナレッジ・パートナーズ IKP税理士法人

包括利益計算書、会計方針、ヘッジ会計の開示事項

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(平成23年5月16日現在)

4.包括利益計算書の開示事項

 企業は、包括利益計算書又は注記で、次の収益、費用、利得又は損失項目を開示しなければなりません(IFRS7.20)。

 

(a)

以下に係る正味利得又は正味損失
(i) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産又は金融負債(IFRS第9号に従って当初認識時にそのように指定された金融資産又は金融負債に係るものと強制的に公正価値で測定されるものとを区分して示す(例えば、IFRS第9号においてトレーディング保有目的の定義を満たす金融負債))
(ii)-(iv) 〔削 除〕
(v)

償却原価で測定する金融負債

(vi) 償却原価で測定する金融資産
(vii) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

(b)

償却原価で測定されている金融資産又は純損益を通じて公正価値で測定されていない金融負債に係る金利収益総額及び金利費用総額(実効金利法により計算)
(c) 以下から生じる(実効金利の決定に含まれる金額以外の)手数料収益及び費用
(i) 償却原価で測定されている金融資産又は純損益を通じて公正価値で測定されていない金融負債
(ii) 個人、信託、退職給付制度、その他の機関の代理として資産を保有し、投資する結果となる信託及びその他の受託業務
(d) 減損した金融資産の減損の実施後に発生する受取利息
(e) 金融資産の種類ごとの減損損失の金額

 

 企業は、償却原価で測定する金融資産の認識の中止により生じた、包括利益計算書に認識された利得又は損失の分析を開示しなければなりません(それらの金融資産の認識の中止により生じた利得と損失とを区分して示す)。この開示には、それらの金融資産の認識の中止を行った理由を含めなければなりません(IFRS7.20A)。

5.会計方針の開示事項

 IAS第1号「財務諸表の表示」では、企業は、重要な会計方針の要約において、財務諸表の作成の際に用いられている測定基礎、及び財務諸表を理解するのに関連性のあるその他の会計方針を開示することを要求されています(IFRS7.21)。企業は,重要な会計方針の要約又は注記で、見積りを伴う判断は別として、経営者が企業の会計方針を適用する過程で行った、財務諸表に認識される金額に最も重大な影響を及ぼす判断について開示しなければなりません。

 金融商品については、そうした開示には次の事項が含まれることが考えられます(IFRS7.B5)。

 

・企業が純損益を通じて公正価値で測定するものに指定した金融負債について、

(i) 企業が純損益を通じて公正価値で測定するものに指定した金融負債の内容
(ii) 当初認識において当該金融負債をそのように指定するときの要件
(iii) このような指定を行うにあたり,企業はどのようにIFRS第9号第4.2.2項に定められる条件を満たしているのか。

・純損益を通じて公正価値で測定するものに指定した金融資産について、

(i) 企業が純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融資産の内容
(ii) 企業がこのような指定のためのIFRS第9号の第4.1.5項の要件をどのように満たしたか

・通常の方法による金融資産の購入又は売却が取引日に会計処理されるのか、決済日に会計処理されるのか

・引当金勘定を信用損失により減損した金融資産の帳簿価額を減額するために使用する場合には、

(i) どのような場合に、減損した金融資産の帳簿価額を直接減額(評価減の戻入れの場合には、直接増額)するのか、また、どのような場合に,引当金勘定を取り崩すのかを判断するための規準
(ii) 引当金勘定に計上された金額で減損した金融資産の帳簿価額を償却するための規準

・それぞれの区分の金融商品の正味利得又は正味損失をどのように算定するのか(例えば、純損益を通じて公正価値で測定される項目の正味利得又は正味損失には利息収益又は配当収益が含まれているかどうか、など)

・減損損失が発生しているという客観的な証拠が存在するかどうかを判断する場合に企業が用いる規準

・条件の再交渉がなければ期日が経過してしまっている,又は減損している金融資産に関し,その条件が再交渉されている場合の,このような再交渉後の条件の対象となる金融資産に関する会計方針

 

6.ヘッジ会計の開示事項

 企業は、ヘッジの種類(すなわち、公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッジ、及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジ)について、別々に、次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.22)。

(a) ヘッジの種類別の概要説明
(b) ヘッジ手段に指定された金融商品の説明及び報告期間の末日現在のそれらの公正価値
(c) ヘッジされているリスクの性質

 

 キャッシュ・フロー・ヘッジについて、企業は次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.23)。

(a) キャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間及びそれらが純損益に影響を与えることになると見込まれる期間
(b) ヘッジ会計が以前に適用されていたが、もはや発生が見込まれなくなった予定取引についての説明
(c) 当期中にその他の包括利益に認識された金額
(d) 資本から純損益に振り替えられた金額(包括利益計算書に含められた各表示項目を示す)
(e) 非金融資産又は非金融負債の取得又は発生をヘッジ対象とする、非常に可能性の高い予定取引において、当期中に資本から除かれて当該非金融資産又は非金融負債の当初取得原価又はその他の帳簿価額に含められた金額

 

 また、企業は、次の事項も別個に開示しなければなりません(IFRS7.24)。

(a) 公正価値ヘッジにおける次に関する利得又は損失
(i) ヘッジ手段
(ii) ヘッジ対象のうち、ヘッジされたリスクに起因する部分
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジから生じる、純損益に認識される非有効部分
(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジから生じる、純損益に認識される非有効部分

 

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