株式会社インターナレッジ・パートナーズ IKP税理士法人

IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」(表示 3/3)

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(平成22年12月31日現在)

8.外貨建のキャッシュ・フロー

外貨建取引によって生じるキャッシュ・フローは、発生日における機能通貨と当該外貨との間の為替レートを外貨額に適用し、機能通貨で記録しなければなりません(IAS7.25) 。

 

また、在外子会社のキャッシュ・フローについても、発生日における機能通貨と当該外貨との間の為替レートによって換算しなければなりません(IAS7.26)。

 

外貨建のキャッシュ・フローは、IAS第21号「外国為替レート変動の影響」と整合した方法で報告されます。したがって、実際レートに近似する為替レート(例えば一定期間の加重平均為替レート)の使用が認められています。しかしながら、在外子会社のキャッシュ・フローを換算する際に、貸借対照表日の為替レートを用いることは認めていません。(IAS7.27)

9.利息および配当金

受取利息、受取配当金、支払利息及び支払配当金は、それぞれ区別して開示しなければなりません。そして、それぞれの項目は、毎期継続した方法で営業、投資及び財務活動のいずれかに分類しなければなりません。(IAS7.31)

 

支払利息受取利息及び受取配当金は、分類に関して統一見解はありません。すなわち、これらの項目は、それらが純損益の算定に組み込まれるため、営業活動によるキャッシュ・フローとして分類することもできるし、あるいは、支払利息、受取利息及び受取配当金は、金融資源の獲得コスト又は投資収益であるため、それぞれ財務活動によるキャッシュ・フロー及び投資活動によるキャッシュ・フローとして分類することもできます。金融機関では、支払利息、受取利息及び受取配当金は、通常、営業活動によるキャッシュ・フローとして分類されます。(IAS7.33)

 

また、支払配当金は、金融資源の獲得コストであるため、財務活動によるキャッシュ・フローとして分類することもできるし、あるいは、利用者が営業活動によるキャッシュ・フローから配当金を支払う企業の能力を判断することに役立つように、営業活動によるキャッシュ・フローの構成要素として分類することもできます。(IAS7.34)

 

なお、期間中の支払利息の総額は、費用計上しものもIAS第23号「借入費用」に従って資産化されたものも含めてキャッシュ・フロー計算書上に開示しなければなりません。(IAS7.32)

10.法人所得税

法人所得税から生じるキャッシュ・フローは区別して開示し、財務及び投資活動に明確に結び付けられる場合を除き、営業活動によるキャッシュ・フローに分類しなければなりません(IAS7.35) 。

 

法人所得税は、キャッシュ・フロー計算書上で営業、投資又は財務活動として分類されるキャッシュ・フローを生じさせる取引に関し発生します。税金費用は容易に投資又は財務活動に結び付けられる場合もありますが、それらに関連した税金のキャッシュ・フローを識別することは実務上不可能であることも多く、対応する取引のキャッシュ・フローと異なる期間に生じる場合もあります。

そのため、支払税金は、通常、営業活動によるキャッシュ・フローとして分類されます。

しかしながら、税金のキャッシュ・フローを、投資又は財務活動として分類されるキャッシュ・フローを生じさせる個々の取引と結び付けることが実務上可能である場合、その税金のキャッシュ・フローは、投資又は財務活動として分類されます。

税金のキャッシュ・フローが複数の活動区分に配分される場合、税金支払額の合計を開示しなければなりません。(IAS7.36)

11.子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資

関連会社又は子会社に対する投資が、持分法又は原価法を用いて会計処理される場合、投資者がキャッシュ・フロー計算書で報告するキャッシュ・フローは、投資者と被投資会社間のキャッシュ・フロー(例えば配当や貸付け等)に限られます。(IAS7.37)

 

比例連結を用いて共同支配企業(IAS第31号「ジョイント・ベンチャーに対する持分」参照)に対する持分を報告する企業は、共同支配企業のキャッシュ・フローの比例割合を連結キャッシュ・フロー計算書に含めます。そのような持分を持分法により報告する企業は、共同支配企業に対する投資についてのキャッシュ・フロー並びにその企業と共同支配企業との間の分配及びその他の支払額又は受取額に関連するキャッシュ・フローをキャッシュ・フロー計算書に含めます。(IAS7.38)

12.子会社およびその他の事業に対する所有持分の変動

子会社又はその他の事業に対する支配の獲得又は喪失によって生じるキャッシュ・フローの総額は、区別して表示し、投資活動に分類しなければなりません(IAS7.39)。

 

また、企業は、期中の子会社又はその他の事業に対する支配の獲得と喪失の両方に関して、総額で次の各項目を開示しなければなりません(IAS7.40)。

(a)  支払対価又は受取対価の合計
(b) 対価のうち現金及び現金同等物で構成される部分
(c) 支配を獲得又は喪失した子会社又はその他の事業における現金及び現金同等物の金額
(d)

支配を獲得又は喪失した子会社又はその他の事業における現金又は現金同等物以外の資産及び負債の金額

(主要な区分ごとに要約されたもの)

 

なお、子会社又はその他の事業に対する支配の取得又は喪失の対価として支払い又は受け取った現金の総額は、キャッシュ・フロー計算書において、そのような取引、事象又は状況変化の一部として取得又は処分した現金及び現金同等物を控除して報告されます。(IAS7.42)

 

<子会社に対する支配の喪失を生じない所有持分の変動にかかるキャッシュ・フロー>

子会社に対する支配の喪失を生じない所有持分の変動(親会社による子会社の資本性金融商品の事後的な購入又は売却など)は、資本取引として会計処理されます(IAS第27号「連結及び個別財務諸表」参照)。

したがって、子会社に対する支配の喪失を生じない所有持分の変動から生じるキャッシュ・フローは、財務活動によるキャッシュ・フローに分類しなければなりません。(IAS7.42A,42B)

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