株式会社インターナレッジ・パートナーズ IKP税理士法人

IAS第34号「中間財務報告」(開示)

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(平成22年12月31日現在)

6.中間財務報告書の開示 -精選された説明的注記-

企業は、最低限、次の情報については、それが重要であり、しかも中間財務報告書の他の部分で開示されていない場合、中間財務諸表の注記に含めなければなりません。当該情報は、通常、期首からの累計ベースで報告しなければなりません。

また、企業は当該中間期間を理解するうえで重要性のある事象又は取引についても開示しなければなりません。(IAS34.16)

 

中間財務諸表において直近の年次財務諸表と同じ会計方針と計算方法とが採用されている旨

または、もしもそれらに変更が行われたときには、その変更の性質と影響についての説明

中間営業活動の季節性又は循環性についての説明的コメント
資産、負債、資本、純利益又はキャッシュ・フローに影響を与える事項で、その性質、規模又は頻度からみて異例な事項の性質と金額

当事業年度の過去の中間期に報告された金額の見積りの変更または過去の事業年度に報告された金額の見積りの変更の性質と金額

(当該変更が当中間期に重要な影響を与えている場合)

負債証券及び持分証券の発行、買戻し、及び償還
普通株式とその他の株式の各々に対する配当金(合計額又は1株当たりの金額)

次のセグメント情報

(中間財務報告書でのセグメント情報の開示は、IFRS第8号「事業セグメント」によって当該企業が年次財務諸表中にセグメント情報を開示しなければならない場合にのみ必要)

1)

外部顧客からの収益

(最高経営意思決定者によりレビューされるセグメント純損益の測定値に含まれている場合、あるいは、最高経営意思決定者に定期的に提供されている場合)

2)

セグメント間収益

(最高経営意思決定者によりレビューされるセグメント純損益の測定値に含まれている場合、あるいは、最高経営意思決定者に定期的に提供されている場合)

3) セグメント純損益の測定値
4) 直前の年次報告書において開示した金額から重要な変動のあった資産合計額
5)

セグメントに区分する基準

(またはセグメント純損益の測定基準について直近の年次財務諸表からの相違点に関する記述)

6)

報告すべきセグメント純損益の測定値の合計額と、企業の法人所得税等及び非継続事業による累積的影響額前の利益との調整

(ただし、企業が法人所得税等といった項目を報告すべきセグメントに配分している場合には、企業はセグメント純損益の測定値の合計とこれらの項目調整後の損益とを調整することができる。重要な調整項目は、当該調整表に個別に認識して記載しなければならない)

中間期末後の重要な事象で当中間期に係る中間財務諸表に反映されていない事象

企業結合、子会社及び長期投資に対する支配の獲得又は喪失、リストラクチャリング、並びに非継続事業など、中間期間における企業の構成の変化の影響

(企業結合の場合、企業は、IFRS第3号で要求されている情報を開示しなければならない)

直近の事業年度の末日後の偶発負債又は偶発資産の変動

 

また、見積りの変更や中間期間を理解するうえで重要性のある事象又は取引についての開示事項の例としては、下記のものが挙げられます(IAS34.17)。

 

棚卸資産の正味実現可能価額までの評価減及びその戻入れ
有形固定資産、無形資産又はその他の資産の減損による損失の計上及びその戻入れ
リストラクチャリング費用に対する引当金の戻入れ
有形固定資産項目の取得及び処分
有形固定資産購入に関するコミットメント
訴訟の解決
前期の誤謬の訂正
借入債務不履行又は借入債務契約違反で報告期間の末日に、あるいはそれ以前に是正されていないもの
関連当事者間取引

 

なお、他のIFRSで、財務諸表における開示事項が具体的に定めれていますが、他のIFRSで求められている開示は、中間財務報告書が「完全な財務諸表一式」ではなく、「要約財務諸表一式」である場合には、必要ありません。(IAS34.18)

7.中間財務報告書の開示 -その他の開示-

上記以外のものとして、本基準では下記の開示事項について規定しています。

 

<IFRSに準拠している旨の開示の開示>


企業の中間財務報告書が本基準に準拠している場合には、その旨を開示しなければなりません。中間財務報告書がIFRSのすべての定めに従ったものでない限り、IFRSに準拠していると記述してはなりません。(IAS34.19)

 

<年次財務諸表における開示>


もし中間期間に報告された見積金額が、当該事業年度の最終の中間期間の間に大きく変更し、しかもその最終の中間期間について個別の財務報告書が公表されていない場合(例えば、事業年度が12月31日に終了する企業で四半期開示が行われている場合の10月1日~12月31日に見積金額の変更が生じた場合など)には、その見積変更の内容及び金額を当該事業年度の年次財務諸表の注記で開示しなければなりません。(IAS34.26)

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