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(平成22年12月31日現在)
1.目的
IAS34号の目的は、中間財務報告書の最小限の内容を定め、かつ中間期間に係る完全な財務諸表又は要約財務諸表に適用される認識及び測定の原則を定めることにあります。
本基準に準拠した適時かつ信頼し得る中間財務報告によって投資家や債権者その他の人たちが、企業の収益力、キャッシュ・フロー、財政状態及び流動性を理解する能力は増進されると考えています。
2.範囲
中間財務報告は、政府、証券監督当局、証券取引所、及び会計諸団体の規制によりその公表が要求され、また、中間財務報告を公表しなければならない会社の範囲や、公表の頻度、公表の期限なども、当該規制のもと定められていると考えられます。
そのため、IAS34号では、どのような企業が中間財務報告書を公表しなければならないか、その頻度あるいは中間期間の末日後いつまでに公表しなければならないか、については定められていません。(IAS34.1)
ただし、IASBは上場企業が、本基準で定められた認識、測定及び開示の原則に準拠して中間財務報告書を提供することを奨励しており、特に上場企業に次のことを奨励しています(IAS34.1)。
・少なくとも事業年度の上半期末現在の中間財務報告書を提供すること
・中間財務報告書を中間期末後60日以内に入手可能にすること
このようにIAS34号は、企業が上記のように国際財務報告基準(IFRS)に準拠した中間財務報告の公表を要求されたり、もしくは自ら選択したりしたときに適用する認識および測定、開示に関する原則を定めているにすぎません。(IAS34.1)
また、年次財務報告書や中間財務報告書の各財務報告書がIFRSに準拠しているかどうかは個別に査定されます。そのため、本基準に準拠しない(例えば自国の会計基準に準拠するなど)中間財務報告書を作成したからといって、本基準以外のIFRSに準拠した年次報告書がIFRSに準拠していないことにはなりませんが、中間財務報告書においてIFRSに準拠している旨を記述しているときには、本基準のすべての定めに従ったものでなければなりません。
3.中間財務報告書の定義
「中間財務報告書(Interim financial report)」とは、中間期間(1事業年度全体よりも短い財務報告の期間)について、完全な財務諸表一式(IAS第1号「財務諸表の表示」に記述)又は要約財務諸表一式(本基準に記述)のいずれかを含んでいる財務報告書を意味します。(IAS34.4)
中間財務報告書は、最近の完全な1組の年次財務諸表の完全なセットの内容を更新しようとするものであり、適時性と費用節減の観点が求められます。そのため、新しい事業活動、事象、環境に焦点を当て、すでに報告した情報を反復することはせず、中間財務報告書の最小限の内容である要約財務諸表と精選された説明的注記(要約財務諸表一式)のみで利用者のニーズを満たすことができると考えられます。
ただし、企業がその中間財務報告書で、要約財務諸表と精選された説明的注記によらないで、完全な財務諸表一式を公表することを禁止したり妨げたりする必要はないため、中間財務報告書を完全な財務諸表一式として作成することもできるとされています。さらに、本基準は、企業が要約中間財務諸表中に本基準で定められた最小限の項目又は精選された説明的注記よりも多くのものを含めることを禁止したり妨げたりするものでもなく、本基準中の認識及び測定についての指針は、中間期間についての完全な財務諸表一式にも適合するとされています。(IAS34.6,7)
このように、IAS第34号では、中間財務報告書を、年次報告書と同様の「完全な財務諸表一式」か「要約財務諸表一式」のいずれかにより作成することができるとされています。
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