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(平成22年12月31日現在)
6.認識・当初の測定 -企業結合の一部として取得した場合-
無形資産を企業結合の一部として取得した場合、取得企業は取得日時点で被取得企業のすべての無形資産をのれんと区別して認識し、取得時点の取得原価で測定します。また、被取得企業の仕掛中の研究開発プロジェクトが、無形資産の定義を満たす場合には、取得企業は当該プロジェクトをのれんとは区別して認識しなければなりません。(IAS38.33,34)
当該取得原価は、取得日現在の公正価値をあらわし、公正価値は将来の経済的便益に関する期待を反映していると考えられます。
また、企業結合で取得された資産が分離可能であるか、又は契約その他の法的権利から発生している場合には、当該資産の公正価値を測定するのに十分な情報が存在していると考えられます。
そのため、企業結合で取得した無形資産は、認識規準を通常満たしていると考えられます。(IAS38.33)
なお、無形資産の公正価値の測定に用いる見積りについて、異なる確率を有する一定範囲の起こり得る結果がある場合には、その不確実性を当該資産の公正価値の測定に反映させなければなりません(IAS38.35)。
<認識単位>
企業結合で取得した無形資産が、分離可能ではあるが、関連する契約、識別可能な資産または負債と一緒でしか分離可能ではない場合があります。そのような場合には、取得企業は、当該無形資産をのれんから区分して、しかし関連する項目と一緒に認識します(IAS38.36)。
また、取得企業は、相互補完的な無形資産のグループの中の個々の資産が同様の耐用年数を有する場合には、そのグループを単一の資産として認識することができます(IAS38.37)。
<公正価値>
活発な市場における市場価格は、最も信頼できる無形資産の公正価値の見積り提供し、通常、現在の買い指値が、適切な市場価格となります(IAS38.39)。
活発な市場が存在しない場合、その資産の公正価値は、利用できる最善の情報に基づき、資産に関する知識のある自発的な当事者間で、独立第三者間取引条件により、企業が取得日においてその資産に対し支払ったであろう金額になります。
この金額の決定に際しては、企業は同様の資産に関する最近の取引の結果を考慮します。例えば、資産の収益性の決定要因となる係数(収益、営業利益、EBITDAなど)に、最新の市場取引を反映した倍数を乗じて算出する方法などがあります。(IAS38.40)
また、公正価値を間接的に見積もる技法を、その資産を使用する業界の最新の取引および慣行を十分に考慮している場合、使用することもできます。例えば、下記のような方法があります(IAS38.41)。
① |
DCF法 |
|
② | 企業が無形資産を所有し、次のことが必要ないことにより回避できるコストの見積 | |
・ | それについて他の者から独立第三者間取引で使用許諾を受けること(割引正味キャッシュフローを用いたらロイヤリティ免除アプローチにように) | |
・ | それを複製するか又は取り替えること(コスト・アプローチのように) |
<取得した仕掛中の研究開発投資に対する事後的な支出>
個別または企業結合で取得した仕掛中の研究または開発投資で、無形資産として識別したものに関連しており、かつ、当該投資の取得以降に生じたものは、下記のとおり自己創設無形資産の研究開発費の規定(詳細は後述)に従い、会計処理しなければなりません(IAS38.42,43)。
・ | 研究費支出である場合には、費用として認識する |
・ | 無形資産の認識規準を満たさない開発費支出である場合には、費用として認識する |
・ | 無形資産の認識規準を満たす開発費支出である場合には、取得した仕掛中の研究または開発投資の帳簿価格に加算する |
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