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(平成23年1月31日現在)
3.認識
<認識規準>
「有形固定資産(property,plant and equipment)」とは、財貨の生産または役務の提供に使用する目的、外部へ賃貸する目的または管理する目的で企業が保有するもので、かつ一般会計期間を超えて使用されると予測されるもの(IAS16.6)をいい、その取得原価は、次の2要件を満たす場合に資産として認識します(IAS16.7)。
① 当該項目に関連する将来の経済的便益が企業に流入する可能性が高い(蓋然性要件)
② 当該項目の取得原価が信頼性をもって測定できる(測定の信頼性要件)
企業は、すべての有形固定資産の取得原価(有形固定資産項目を取得または建設するための初期費用および取得後の追加・取替・保守のために発生する費用も含む)を、当該認識規準に従って、発生時に評価しなければなりません(IAS16.10)。
IAS第16号は上記認識規準に関して、下記のような具体例も挙げています。
交換部品や保守器具は、通常は消費時に費用として認識されますが、一会計期間を超えて使用すると予測される主要な交換部品や予備器具、ある有形固定資産項目に関連してのみ使用される交換部品及び保守器具は、有形固定資産の認識規準を満たし、有形固定資産として会計処理することが要求されています(IAS16.8)。
また、安全あるいは環境保全目的で取得される有形固定資産は、それ自体が将来の経済的便益を直接増加させるものではないが、他の資産からの将来の経済的便益を得るために必要な場合、そのような有形固定資産項目は、資産の認識規準を充足しているとされています(IAS16.11)。
<認識単位>
IAS第16号では、認識単位(unit)、すなわちどのような項目が有形固定資産項目を構成するのかについては具体的に規定していません。
したがって、認識単位については企業特有の状況を加味した認識規準を判断が要求されます。(IAS16.9)
例えば、鋳型、工具、金型など個々には重要ではない項目について、それを集計した総額については認識規準を適用することが適切な場合もあるとされています。
<取得後支出>
日常的な保守費用や修繕費用は、資産の認識規準を充足しないため発生に応じて費用認識されます(IAS16.12)。ただし、有形固定資産項目の構成部品の中には、建物の内壁などのように一定期間ごとに取替えを必要とするようなものがありますが、当該取替費用で資産の認識規準を充足する場合は、有形固定資産として認識し、取り替えられた構成部分は認識の中止とします(IAS16.13)。
また、有形固定資産項目には定期的な大規模検査を実施するものがありますが、当該検査費用についても、資産の認識規準を充足する場合は、有形固定資産として認識し、以前の検査費用の残存簿価については認識の中止として処理します(IAS16.14)。
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