株式会社インターナレッジ・パートナーズ IKP税理士法人

IFRS第3号「企業結合」(10/12)

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(平成23年1月31日現在)

15.取得した資産または負債が企業結合の一部であるかの判定

取得企業は、取得法を適用する一環として、被取得企業に関する移転された対価及び被取得企業に関する交換で取得した資産と引き受けた負債のみを認識しなければなりません。(IFRS3.51)

 

しかし、取得企業と被取得企業は、企業結合の交渉が始まる前からの関係又は他の取決めを有していたり、交渉中に企業結合とは別の取決めを行ったりすることがあります。このような場合、取得企業は、取得企業と被取得企業(又は以前の所有者)が企業結合で交換したものの一部ではない金額すなわち、被取得企業にとっての交換取引の一部ではない金額を識別し、当該企業結合とは別個の取引は、関連するIFRSに従って会計処理しなければなりません。(IFRS3.51)

特に企業結合前に主として被取得企業(又は旧所有者)の便益のためではなく、取得企業により若しくは取得企業のために又は主として結合後企業の便益のために実行された取引は、別個の取引である可能性が高いと考えられます。(IFRS3.52)

 

取得法の適用に含まれない別個の取引の例としては、下記のものが挙げられます。

・取得企業と被取得企業の間の以前からの関係を事実上清算する取引

・将来の勤務に関し、被取得企業の従業員又は旧所有者に報酬を与える取引

・取得企業による取得関連費の支払に関し、被取得企業又は旧所有者に補填する取引

 

<企業結合の一部であるかの判定における考慮事項>

取得企業は、ある取引が被取得企業にとっての交換取引、すなわち企業結合の一部になるかどうか、または当該取引が企業結合と別個のものかどうかを決定するために、次の要因を考慮しなければなりません。なお、これらは、相互排他的なものではなく、単独で決定的となるものでもありません。(IFRS3.B50)

 

・取引の理由

企業結合の当事者(取得企業及び被取得企業、並びにその所有者、取締役及び経営者、及びその代理人)が特定の取引又は契約を実行する理由を理解することにより、移転された対価及び取得した資産、又は引き受けた負債の一部になるかどうかの洞察が得られる場合かあります。

 

・誰が取引を主導したか

誰が取引を主導したかを理解することによっても、取引が被取得企業にとっての交換取引の一部になるかどうかの洞察が得られる場合があります。

 

・取引の時期

取引の時期からも、ある取引が被取得企業に関する交換取引の一部となるかどうかの洞察が得られる場合があります。

16.取得関連費

取得関連費とは、企業結合を達成するために取得企業に発生するコストをいいます。当該コストには、仲介者手数料、助言、法律、会計、評価、その他の専門家又はコンサルティングの報酬、一般管理費(内部の買収部門の維持コストを含む)、負債性証券及び持分証券の発行登録費用などが含まれます。

取得関連費は、当該コストが発生してサービスが提供された期間の費用として会計処理しなければなりません。

ただし、負債性証券又は持分証券の発行コストは、IAS第32号「金融商品:表示」及びIAS第39号「金融商品:認識および測定」に従って認識されます。(IFRS3.53

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