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(平成23年1月31日現在)
10.認識の原則または測定の原則の例外
上記の認識及び測定の原則に関して、IFRS第3号もしくは各個別項目のIFRSで限定的な例外を定めています。(IFRS3.21)
<偶発負債>
IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」では、偶発負債を次のように定義しています。(IFRS3.22)
(a) |
過去の事象から発生し得る債務のうち、完全には企業の支配可能な範囲にない将来の1つ以上の不確実な事象の発生又は不発生によってのみその存在が確認される債務 |
または | |
(b) |
過去の事象から発生した現在の債務であるが、次の理由により認識されていないもの (i) 債務決済のために経済的便益を含む資源の流出が必要となる可能性が高くない (ii) 債務の金額が十分な信頼性をもって測定できない |
しかし、企業結合においては、上記定義を適用せずに、企業結合で引き受けた偶発負債が、下記条件を満たしている場合、取得日時点おいて認識しなければなりません。
① 過去の事象から生じた現在の債務である
② 公正価値を信頼性をもって測定できる
したがって、IAS第37号と異なり、取得企業は、債務を決済するために経済的便益を含む資源の流出が必要とされる可能性が高くない場合であっても、企業結合で引き受けた偶発負債を取得日に認識しなければなりません。(IFRS3.23)
<法人所得税>
企業結合で取得した資産及び引き受けた負債から発生する繰延税金資産又は負債については、IAS第12号「法人所得税」に従って認識し測定しなければならなりません。取得日時点で存在していたか又は取得の結果発生した被取得企業の一時差異及び繰越欠損金の潜在的な税効果も、IAS第12号に従って会計処理しなければなければなりません。(IFRS3.24、25)
<従業員給付>
被取得企業の従業員給付契約に係る負債(又は資産)については、IAS第19号「従業員給付」に従って認識し測定しなければなりません。(IFRS3.24)
<補償資産>
例えば、ある偶発事象から発生する負債に係る特定の金額を超えた損失に対して、売手が取得企業を補償する場合のように、企業結合における売手が、特定の資産又は負債の全部又は一部に関連した偶発事象又は不確実性に関して、取得企業に契約上補償する場合があります。このような場合、取得企業の負債が特定の金額を超過しないことを売手が保証することになり、取得企業は補償資産を取得したことになります。(IFRS3.27)
このような場合、取得企業は、補償資産を補償される項目を認識するのと同時に補償される項目と同じ基準で測定した補償資産を認識しなければなりません。ただし、回収不能額について評価性引当金を計上することが必要です。
しかし、その補償が、取得日に認識され取得日の公正価値で測定される資産又は負債に関係する場合には、取得企業は補償資産を取得日に取得日公正価値で認識しなければならないため、回収可能性の検討による将来キャッシュ・フロ―の不確実性の影響は、公正価値測定に含まれており、別個の評価性引当金の計上は必要ではありません。(IFRS3.27)
<再取得した権利>
無形資産として認識する再取得した権利の価値については、関連する契約の残存契約期間に基づいて測定しなければなりません。
市場参加者が公正価値を算定する際に検討するであろう契約の更新可能性の有無を考慮せずに測定することになります。(IFRS3.29)
<株式報酬>
被取得企業の株式報酬制度については、取得企業の株式報酬制度に置き換える際の負債又は資本性金融商品を、IFRS第2号「株式報酬」に定められる方法に従って再測定しなければなりません。(IFRS3.30)
<売却目的で保有する資産>
取得日に売却目的保有に分類された取得した非流動資産(又は処分グループ)については、 IFES第5号「売去唱的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って測定しなければなりません。(IFRS3.31)
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