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(平成22年12月31日現在)
1.目的
IAS第19号の目的は、従業員給付に関する会計及び開示を定めることになります。
IAS第19号は、企業に下記のものを認識することを求めています。
・ | 従業員が、将来支払われる従業員給付と交換に勤務を提供した時の負債 |
・ | 企業が、従業員給付と交換に従業員が提供した勤務により生じた経済的便益を費消する時の費用 |
2.範囲
本基準は、IFRS第2号「株式報酬」が適用されるものを除き、事業主のすべての従業員給付に関する会計処理に適用しなければなりません(IAS19.1)。
「従業員給付(employee benefits)」とは、従業員が提供した勤務と交換に、企業が与えるあらゆる形態の対価をいいます(IAS19.7)。また、従業員給付には、従業員又はその被扶養者のいずれかに支給する給付も含まれ、支払(又は財若しくはサービスの提供)を従業員、その配偶者、子その他の被扶養者に直接行うか、又は保険会社のような他の者に行うことにより決済されることがあります(IAS19.5)。
なお、従業員とは、企業に、常勤又はパートタイムで、常時、不定期又は一時的に勤務を提供する者で、取締役及び他の役職者を含みます(IAS19.6)。
IAS19号が適用される従業員給付は、次のものがあります(IAS19.3)。
・ |
企業と個々の従業員、従業員のグループ又はその代表者との間の正式な制度又は他の正式な契約によるもの |
・ | 法的な要求あるいは産業別の取決めにより、企業が国、州、業界又は他の複数事業主制度に対する拠出を要求されるもの |
・ |
推定的債務を生じさせる非公式の慣行によるもの (非公式の慣行は、企業が従業員給付を支払う以外に現実的な選択肢を有しない場合に推定的債務を生じさせます。推定的債務の例としては、企業の非公式の慣行を変更すると従業員との関係に許容し難い悪影響が生じる可能性がある場合などが考えられます。) |
なお、従業員給付制度自体の会計に関する基準は、IAS第26号「退職綸付制度の会計及び報告」にて規定されています(IAS19.2)。
3.従業員給付の類型
IAS第19号は、従業員給付を異なる特性を有する4分類に識別し、各分類それぞれについて規定しています(IAS19.4)。
・ | 短期従業員給付(short-term employee benefits) | |
賃金,給料及び社会保障のための拠出,年次有給休暇及び有給疾病体暇,利益分配及び賞与(期末後12か月以内に支払われる場合)並びに現在の従業貝に対する非貨幣性給付(医療給付,住宅,自動車及び無償又は補助金付きの財又はサービス等)など | ||
・ | 退職後給付(post-employment ) | |
年金,その他の退職給付,退職後生命保険及び退職後医療給付など | ||
・ | その他の長期従業員給付(other long-term employee benefits) | |
長期勤続休暇又は研究休暇,記念日又はその他の長期勤続給付,長期障害給付,並びに期末後12か月以内に全額が支払われない場合の利益分配,賞与及び繰延報奨を含む。 | ||
・ | 解雇給付(termination benefits) | |
上記類型とは異なる特性を有するため、別個の規定を設けています。 |
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