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(平成23年1月31日現在)
8.測定
<税金負債(資産)の適用税率>
当期及び過去の期間の当期税金負債(資産)は、報告期間の末日において施行され、または実質的に施行されている税率(および税法)を使用して、税務当局に納付(または税務当局から還付)されると予想される額で算定しなければなりません。(IA12.46)
<繰延税金負債(資産)の適用税率>
繰延税金資産および負債は、報告期間の末日における法定税率または実質法定税率(および税法)に基づいて、資産が実現する期または負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しなければなりません。(IA12.47)
また、課税利益の階層別に異なった税率が適用されるときには、繰延税金資産および負債は、一時差異が解消すると予測される期の課税所得(欠損金)に適用されると予想される税率の平均を使用して算出されます。(IA12.49)
さらに、繰延税金負債および資産の算定にあたっては、企業は報告期間の末日時点で、資産および負債の帳簿価額の回収または決済を行うとしている方法から生じる税務上の影響を反映しなければなりません。(IA12.51)
<割引率>
繰延税金資産および負債は、割り引いてはいけません。(IA12.53)
繰延税金資産および負債について割引ベースで信頼度の高い数値を算定するには、各々の一時差異の解消時について詳細な予定表が必要になります。多くの場合、そのような予定表の作成は実務上不可能か複雑と考えられるため、繰延税金資産および負債について割引計算を求めるのは適当でありません。(IA12.54)
9.当期税金と繰延税金の会計処理
取引またはその他の事象が当期税金および繰延税金に及ぼす影響の会計処理は、取引またはその他の事象それ自身の会計処理と首尾一貫したものでなければなりません。(IA12.57)
<純損益に認識される項目>
当期税金及び繰延税金は、次のいずれかの場合を除いて収益または費用として認識し当期の純損益に含めなければなりません。(IA12.58)
・その税金が、同じ期または異なった期に、純損益の外で(その他の包括利益に又は資本に直接に)認識される取引または事象から生ずる場合
・その税金が、企業結合から生ずる場合
税率の変更や繰延税金資産の回収可能性の再査定、資産の予定回収方法の変更など関連する一時差異の額に変更がなくてとも繰延税金資産および負債の計上額が変更されることあります。この結果生じる繰延税金は純損益に認識されます。ただし、純損益の外で認識された項目に関係している場合を除きます。(IA12.60)
<純損益の外で認識される項目>
当期税金及び繰延税金は、その税金が同一の期間またはある異なる期間に純損益の外で認識される項目に関連するものである場合には、純損益の外で認識しなければなりません。したがって、同一の期間またはある異なる期間に次で認識される項目に関する当期税金及び繰延税金は、次のように認識しなければなりません。(IA12.61A)
・その他の包括利益に認識される項目に関連するものは、その他の包括利益に認識しなければなりません。
(例)有形固定資産の再評価による帳簿価額の変更、在外事業の財務諸表の換算の際に生じる為替差額(IA12.62)
・資本に直接認識される項目に関連するものは、資本に直接認識しなければなりません。
(例)会計方針の変更で遡及適用されるもの又は誤謬の訂正による期首利益剰余金の修正、複合金融商品の資本部分の当初認識により生じる金額(IA12.62A)
ただし、例外的な状況おいては、純損益の外で(その他の包括利益に又は資本に直接に)認識された項目についての当期税金と繰延税金の額を算定するのが下記のように困難な場合には、純損益の外で認識された項目に係る当期税金および繰延税金は、その課税管轄地域での当該事業体に対する当期税金および繰延税金の合理的比例配分、またはその状況下でもっと適切な配分をもたらす他の方法により決定します。(IA12.63)
・法人所得税が累進税率で、課税所得(欠損金)のうち特定の部分に適用された税率を決定するのが不可能である場合
・税率または税法の変更が、以前に純損益の外で認識された項目に(全部または部分的に)関係する繰延税金資産または負債に影響を与える場合
・繰延税金資産を認識すべてきであるか又はもはや全く認識すべきでないと決定したが、その繰延税金資産が以前に純損益の外で認識された項目に(全部または部分的に)関係するものである場合
<企業結合による発生する繰延税金>
企業結合の際に一時差異が発生する場合、これによる繰延税金資産または繰延税金負債を、取得日に置いて識別可能資産および負債として認識します。これらの繰延税金資産および負債は、企業が認識するのれんまたは割安購入益(負ののれん)の金額に影響を与えます。しかし、のれんの当初認識から発生する繰延税金負債は認識しません。(IA12.66)
企業結合の結果、取得前から取得企業の繰延税金資産が実現する可能性が変化する場合があります。例えば、被取得企業の繰越欠損金を使用できる場合などが考えられます。こうした場合、取得企業は、企業結合を行った期間に繰延税金資産の変動を認識しますが、企業結合に対する会計処理の一部としては含めてはいけません。したがって、取得企業は、企業結合において認識するのれん又は割安購入益(負ののれん)の測定の際にそれを考慮に入れてはいけません。(IA12.67)
また、取得企業の繰越欠損金の潜在的な便益または他の繰延税金資産が、企業結合が当初に会計処理された時点では独立して認識するための要件を満たしていないが、事後的に実現するかもしれない場合があります。この場合、企業は企業結合の後に実現した、取得した繰延税金便益を次のように認識しなければなりません。(IA12.68)
・測定期間内に認識した、取得した繰延税金便益で、取得日現在で存在していた事実及び状況に関する新たな情報により生じたものについては、その取得に関係するのれんの帳簿価額の減額に充当しなければなりません。当該のれん帳簿価額がゼロである場合には、残った繰延税金便益は純損益に認識しなければなりません。
・実現したその他のすべての取得した繰延税金便益は、純損益に(基準が要求する場合は、純損益の外で)認識しなければなりません。
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