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(平成22年7月31日現在)
1.個別財務諸表
IFRSにおける個別財務諸表とは、親会社、関連会社への投資企業又は共同支配企業に対する共同支配投資企業が表示する財務諸表で、その投資の会計処理が、被投資企業の報告された業績や純損益を基礎とするのではなく、直接の資本持分を基礎とするものをいいます。このため、子会社、関連会社又は共同支配企業に対する共同支配投資持分を保有していない企業の財務諸表は個別財務諸表といいません(IAS27.7)。日本基準でいう個別財務諸表とは異なりますので留意が必要です。
IFRSにおいて、個別財務諸表は連結財務諸表に添付又は付属する必要はなく、すなわち作成義務はありません(IAS27.6)。ただし、企業が個別財務諸表の表示を選択した場合又は現地の法令で要求されている場合の、子会社、共同支配企業及び関連会社に対する投資の会計処理には、IAS27号に従った処理が行われることになります。
企業が個別財務諸表を作成する場合には、子会社、共同支配企業及び関連会社に対する投資を、取得原価もしくはIAS39号に従った会計処理をしなければなりません(IAS27.38)。
企業は、配当を受け取る権利が確定した時に、子会社、共同支配企業又は関連会社からの配当を個別財務諸表において純損益に認識しなければなりません(IAS27.38A)。
2.開示事項(連結財務諸表を作成しているの場合)
IFRSでは、次の事項を連結財務諸表に開示しなければなりません(IAS27.41)。
1 | 親会社が、直接的に又は子会社を通じて間接的に議決権の過半数を所有していない場合の、当該子会社と親会社の関係 |
2 | 直接的に又は子会社を通じて間接的に被投資会社の議決権又は潜在的議決権の過半数を所有しているが、そのことが支配を構成しない理由 |
3 | 子会社の財務諸表の報告期間の末日(その財務諸表が連結財務諸表を作成するために用いられており、親会社の財務諸表と異なる日付又は異なる期間のものである場合)、及び異なる日付又は期間を用いる理由 |
4 | 現金配当又は融資若しくは貸付けの返済の形で子会社が親会社に資金を送金する能力に対する著しい制限の内容と程度(例えば、借入の条項や規制上の要求など) |
5 | 支配の喪失とならない子会社に対する親会社の所有持分の変動が、親会社の所有者に帰属する持分に与える影響を示す表 |
6 |
子会社に対する支配を喪失した場合には、親会社は第34項に従って認識された利得又は損失とともに、次の事項を開示しなければならない。 ●その利得又は損失のうち、以前の子会社に対する残存投資を、支配喪失日現在の公正価値で認識したことに起因する部分 ●その利得又は損失が認識されている包括利益計算書の表示科目(包括利益計算書で区分表示されていない場合 |
3.開示事項(連結財務諸表を作成しない場合)
連結財務諸表を作成しないことを選択する親会社について、個別財務諸表が作成される場合には、当該個別財務諸表では次の事項を開示しなければなりません(IAS27.42)。
1 | 財務諸表が個別財務諸表である旨、連結が免除されている旨、国際財務報告基準に準拠して公表用の連結財務諸表を作成している企業の名称と法人設立国又は所在地、及び当該連結財務諸表を入手することのできる住所 |
2 | 子会社、共同支配企業及び関連会社に対する重要な投資の一覧(名称、法人設立国又は所在地、所有持分比率、及び所有持分が議決権と異なる場合には保有する議決権比率を含む。) |
3 | 上記2に記載された投資の会計処理で用いた方法の説明 |
4.開示事項(個別財務諸表を作成する場合)
親会社(第42項の対象となる親会社を除く。)、共同支配企業に対する持分を有する共同支配投資企業又は関連会社に対する投資企業が、個別財務諸表を作成する場合には、当該個別財務諸表で以下の事項を開示しなければなりません(IAS27.43)。
1 | 財務諸表が個別財務諸表である旨、及び当該財務諸表が法律により要求されていないのであれば、作成する理由 |
2 | 子会社、共同支配企業及び関連会社に対する重要な投資の一覧(名称、法人設立国又は所在地、所有持分比率、及び所有持分が議決権と異なる場合には保有する議決権比率を含む。) |
3 | 上記2に記載された投資の会計処理で用いた方法の説明 |
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