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金融商品リスクに関する開示事項

(平成23年5月16日現在)

8−1.金融商品のリスク開示(総論)

 企業は、報告期間の末日現在で晒されていた金融商品から生じるリスクの内容及び程度を、財務諸表の利用者が評価することができるような情報を開示しなければなりません(IFRS7.31)。また、金融商品のリスク開示は、金融商品から生じるリスクの内容だけでなく、どのようにしてそのリスクが管理するのかについて記述していく必要があります。開示するリスクは、通常、信用リスク、流動性リスク及び市場リスクになりますが、IFRSはこれに限定しているわけではありません(IFRS7.32)。

 開示内容は定量的な開示をすればいいのではなく、定性的な開示も要求されます。定量的な開示の中で定性的な開示を提供することは、利用者が関連する開示にリンクすること可能にし、したがって、金融商品から生じるリスクの性質及び範囲の全体的な構図を描くことができるからです。定性的及び定量的な開示の相互作用は、利用者が企業のリスクに対するエクスポージャーを評価することができる、より適切な方法における情報開示に寄与すると考えられます(IFRS7.32A)。

 

 なお、これらの開示は、財務諸表に織り込むか、財務諸表と同じ条件で同じ時期に財務諸表の利用者が入手することのできる、経営者による説明又はリスク報告書などのその他の文書に財務諸表から相互参照によって組み込まなければなりません。相互参照により当該情報が編入されていない場合には、財務諸表は不完全として扱われます(IFRS7.B6)。

 

(A) 定性的開示


 定性的開示事項といして、金融商品から生じるそれぞれのリスクについて、企業は次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.33)。

(a) リスクに対するエクスポージャー及び当該リスクがどのように生じたのか
(b) リスク管理の目的、方針及び手続並びにリスクを測定するために用いている方法
(c) 過年度からの(a)又は(b)における変更

 

(B) 定量的開示


 金融商品から生じるそれぞれのリスクについて、企業は次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.34)。

(a) 企業が報告期間の末日現在でリスクに晒されている程度に関する定量的データの要約。この開示は、企業の経営幹部、例えば企業の取締役会や最高経営責任者に対して内部的に提供される情報を基礎としなければならない。
(b) (a)で提供されていない範囲で、信用リスク、流動性リスク、市場リスクにより求められる開示。
(c) (a)及び(b)に従って行われる開示から明らかでない場合、リスクの集中。

 

 なお、報告期間の末日現在で開示されている定量的データが、当期中の企業のリスクに対するエクスポージャーを表すものでない場合には、それを表す追加的な情報を提供しなければなりません(IFRS7.35)。

 

 上記(a)は、企業の主要経営陣に内部的に提供される情報を基にしたリスクに対するエクスポージャーに関する定量的要約データを開示することを求めています。企業が複数の方法を用いてリスク・エクスポージャーを管理している場合には、企業は最も目的適合性があり信頼性のある情報(目的適合性と信頼性はIAS第8号を参照)を提供することになる方法を用いて、情報を開示しなければなりません(IFRS7.B7)。

 上記(c)は、リスクの集中についての開示を求めています。リスクの集中は、類似の特徴を有し、経済的状況又はその他の状況の変動に同じように影響を受ける金融商品から生じます。リスクの集中を識別するには、企業を取り巻く状況を考慮したうえでの判断が求められます。リスクの集中に関する開示には次の項目が入っていなければなりません(IFRS7.B8)。

 

(a) 経営者がどのように集中を判断するのかの説明
(b) それぞれのリスクの集中に共通に見られる特徴の説明(例えば、相手方当事者、地理的地域、通貨又は市場など)
(c) そうした特徴を有するすべての金融商品に関連するリスク・エクスポージャーの金額

8−2.信用リスク

 企業は、金融商品の種類別に次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.36)。

(a) 報告期間の末日現在の信用リスクに対する最大エクスポージャーを、保有する担保及びその他の信用補完(例えば、IAS第32号に従って相殺の要件を満たさない相殺契約)は考慮に入れずに、最もよく表す金額。この開示は、帳簿価額が信用リスクに対する最大エクスポージャーを最もよく表す金融商品に関しては要求されない。
(b) ((a)で開示されている又は金融商品の帳簿価額によって表示されている)信用リスに対する最大エクスポージャーを最もよく表す金額に関して、担保として保有する物件及びその他の信用補完の説明、並びに財務効果(例えば、担保やその他の信用補完が信用リスクを削減する範囲の定量化)
(c) 期日が経過しておらず減損もしていない金融資産の信用度に関する情報

 

 上記(a)は、信用リスクに対する企業の最大エクスポージャーを最もよく表している金額の開示を求めています。金融資産については、この金額は一般的には次の金額を控除した後の帳簿価額の総額となります(IFRS7.B9)。

(a) IAS第32号に準拠して相殺される金額
(b) IAS第39号に準拠して認識される減損損失

 

 信用リスクを発生させる活動、及びそれに関連した信用リスクに対する最大エクスポージャーには、次のようなものがあります(IFRS7.B10)。

(a) 顧客に貸出しを供与すること及び預金を他の企業に預け入れること。こうした状況では、信用リスクに対する最大エクスポージャーは、関連する金融資産の帳簿価額となる。
(b) 外国為替契約、金利スワップ及びクレジット・デリバティブなど、デリバティブ契約を締結すること。その結果生じる資産を公正価値で測定する場合には、報告期間の末日における信用リスクに対する最大エクスポージャーは帳簿価額に等しくなる。
(c) 金融保証を付与すること。この場合、信用リスクに対する最大エクスポージャーは、被保証人が要求された場合に企業が支払わなければならない最大金額で、負債として計上している金額よりはるかに大きな金額となる場合がある。
(d) 契約期間にわたり取消不能、又は不利となる重大な状況が生じた場合のみに取消可能なローン・コミットメントを提供すること。発行会社がローン・コミットメントを現金又は別の金融商品で純額決済することができない場合には、最大信用エクスポージャーはコミットメント全額となる。これは、実行されていない金額が将来実行されるかどうかは不確実であるからである。負債として計上している金額よりはるかに大きな金額となる場合がある。

 

 

(A) 期日経過又は減損した金融商品


 企業は、金融資産の種類別に次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.37)。

(a) 報告期間の末日現在で期日が経過しているが、減損はしていない金融資産の年齢分析
(b) 報告期間の末日現在で減損していると個別に判定された金融資産の分析(金融資産が減損していると判定する際に企業が検討した要因を含む)

 

(B) 入手した担保及びその他の信用補完


 企業が当期中に、担保として保有する物件を所有するか又はその他の信用補完(例えば、保証)を要求することにより、金融資産又は非金融資産を獲得し、当該資産が他のIFRSの認識規準を満たす場合には、企業は、報告日に保有している当該資産に関して、次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.38)。

(a) 資産の性質と帳簿価額
(b) 当該資産が容易に換金可能ではない場合には、当該資産の処分又は事業での使用に関する方針

 

8−3.流動性リスク

 流動性リスクについて、企業は次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.39)。

(a) デリバティブ以外の金融負債(発行した金融保証契約を含む)について残りの契約上の満期を示す満期分析
(b) デリバティブ金融負債についての満期分析。この満期分析は、契約上の満期がキャッシュ・フローの時期の理解に不可欠であるデリバティブ金融負債についての残存する契約上の満期を含んでいなければならない。
(c) (a)及び(b)に固有の流動性リスクをどのように管理しているかの説明

 

 企業は、経営幹部に内部的に提供されている情報に基づいて、流動性リスクに対するエクスポージャーに関する要約の定量的データを開示します。企業は、それらのデータがどのように算定されたのかを開示しなければなりません。それらのデータに含まれている現金(又は他の金融資産)のアウトフローが次のいずれかとなる可能性がある場合には、企業はその旨を述べるとともに、財務諸表の利用者がこのリスクの程度を評価できるようにする定量的情報を提供しなければなりません(ただし、その情報が上記(a)又は(b)で求めている契約上の満期分析に含まれている場合を除きます)(IFRS7.B10)。

(a) データに示されているよりも早い時期に生じる。
(b) データに示されているのと大幅に異なる金額となる(例えば、データには純額決済ベースで含まれているが、相手方が総額決済を要求する選択権を有しているデリバティブについて)。

 

 

(A) デリバティブ以外の金融負債の満期分析(IFRS7.39(a))


 満期分析を作成する際に、企業は、どの満期日ゾーンを用いれば適切かどうかを判断することになります。例えば、次の満期日ゾーンが適切であると判断する企業もあるかもしれません(IFRS7.B11)。

(a) 1か月以内
(b) 1か月超3か月以内
(c) 3か月超1年以内
(d) 1年超5年以内

 

 なお、満期分析では、企業は、組込デリバティブを混合(複合)金融商品から区分してはなりません。組込デリバティブについては、企業はデリバティブ以外の金融負債の満期分析として適用しなければなりません(IFRS7.B11A)。

 

(B) デリバティブ金融負債についての満期分析(IFRS7.39(b))


 デリバティブ金融負債について、契約上の満期がキャッシュ・フローの時期の理解に不可欠である場合に、残存する契約上の満期の分析を開示することを企業に求めています。例えば、これは次のものについて当てはまります(IFRS7.B11B)。

(a) 変動金利の金融資産又は負債のキャッシュ・フロー・ヘッジをしている残存期間5年の金利スワップ
(b) すべてのローン・コミットメント

 

(C) 上記(A)と(B)の共通事項


 一部の金融負債について、残存する契約上の満期を示す金融負債の満期分析を開示することを企業に求めています。この開示においては、

(a) 相手方が支払時期の選択権を有している場合には、負債は企業が支払を要求される可能性の ある最も早い期間に配分される。例えば、企業が要求払で返済を要求される可能性のある金融負債(例えば、要求払預金)は、最も早い期間帯に含められる。
(b) 企業が分割払で金額を利用可能とする約束をしている場合には、それぞれの分割払金額は、企業が支払を要求される可能性のある最も早い期間に配分される。例えば、未行使のローン・コミットメントは、実行が可能な最も早い日を含んだ期間帯に含められる。
(c) 発行した金融保証契約については、保証の最大金額が保証が要求される可能性のある最も早い期間に配分される。

 

 

 満期分析で開示される契約上の金額は、例えば次のような契約上の割引前のキャッシュ・フローです(IFRS7.B11D)。

(a) 総額のファイナンス・リース債務(金融費用控除前)
(b) 金融資産を現金で購入する先渡契約で指定された価格 
(c) 正味キャッシュ・フローを交換する変動払・固定受の金利スワップの正味金額
(d) 総額のキャッシュ・フローが交換されるデリバティブ金融商品(例えば、通貨スワップ)で 交換される契約上の金額
(e) 総額のローン・コミットメント

 

 このような割引前のキャッシュ・フローは、当該計算書の金額は割引後のキャッシュ・フローに基づいているから、財政状態計算書に含まれている金額とは異なります。支払金額が固定されていない場合には、開示される金額は報告期間の末日現在で存在している状況を参照して決定されます。例えば、支払金額がある指標の変動によって変わる場合には、開示される金額は期末現在の当該指標の水準が基礎になるかもしれません。

 

(D) 固有の流動性リスクの管理方法の開示(IFRS7.39(c))


 IFRS第7号では、定量的開示で開示される項目に固有の流動性リスクをどのように管理しているかを記述することを企業に求めています。企業は、財務諸表の利用者が流動性リスクの内容と程度を評価できるようにするのにその情報が必要な場合には、流動性リスクを管理するために保有している金融資産(例えば、容易に売却可能であるか又は金融負債のキャッシュ・アウトフローに充当できるキャッシュ・インフローを生み出すと期待される金融資産)の満期分析を開示しなければなりません(IFRS7.B11E)。

 ここで求られている開示を提供する際に企業が考慮するかもしれない他の要因には、企業が次のようであるかどうかが含まれます。ただし、これらに限定されるものではありません。

(a) 流動性の必要を満たすために利用できる借入枠(例えば、コマーシャル・ペーパーの発行枠) 又は他の信用枠(例えば、スタンドバイ信用枠)の約束がある。
(b) 流動性の必要を満たすために中央銀行に預金を保有している。
(c) 非常に多様な資金調達源を有している。
(d) 資産あるいは資金調達源に流動性リスクの著しい集中がある。
(e) 流動性リスクを管理するための内部統制手続及び危機管理計画がある。
(f) 加速化された返済条件(例えば、企業の信用格付けの引下げの際の)を含んだ金融商品を有している。
(g) 担保の差入れ(例えば、デリバティブについてのマージン・コール)を要求される可能性のある金融商品を有している。
(h) 金融負債を現金(又は他の金融資産)の引渡しにより決済するか自らの株式の引渡しにより決済するかの選択を企業に認める金融商品を有している。
(i) マスターネッティング契約の対象となる金融商品を有している。

 

8−4.市場リスク

 市場リスクの感応度分析として、バリュー・アット・リスク等に準拠する場合を除き、企業は次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.40)。

(a) 企業が報告期間の末日現在で晒されている市場リスクの種類ごとの感応度分析(報告期間の末日において合理的な可能性のある適切なリスク変数の変化によって、純損益及び資本がどれだけ影響を受けるのかを示す)
(b) 感応度分析の作成に用いた手法及び仮定
(c) 過年度からの手法及び仮定の変更、並びに当該変更の理由

 

 企業がリスク変数(例えば、金利及び為替レートなど)間の相互依存性を反映するバリュー・アット・リスクのような感応度分析を作成し、金融リスクを管理するために感応度分析を利用する場合には、上記の分析の代わりに当該感応度分析を用いることができます。その場合、企業は次の事項についても開示しなければなりません(IFRS7.41)。

(a) 当該感応度分析を作成する際に用いた手法及び提供されるデータの基礎となる主要なパラメーターと仮定の説明
(b) 用いた手法の目的、及び関連する資産及び負債の公正価値を完全には反映しない情報を生じるかもしれない制約の説明

 

 なお、その他の市場リスクの開示として、上記の感応度分析が金融商品に固有のリスクを表していない場合(例えば、年度末のエクスポージャーが年間のエクスポージャーを反映しないため)、企業はその旨と感応度分析が表していないと考える理由を開示しなければなりません(IFRS7.42)。

 企業は事業全体に対し感応度分析を実行しなければなりませんが、異なる種類の金融商品については異なる種類の感応度分析を提供することができます(IFRS8.B21)。

 

 感応度分析の規定に準拠して、純損益の感応度(例えば、純損益を通じて公正価値で測定する金融商品から生じるもの)は、その他の包括利益の感応度(例えば、公正価値の変動がその他の包括利益に表示される資本性金融商品に対する投資から生じるもの)とは区別して開示します(IFRS7.B27)。企業が資本性金融商品に分類する金融商品は再測定しません。純損益又は資本もこのような金融商品の価格リスクに影響されることはありません。したがって感応度分析は要求されないのです(IFRS7.B28)。

 

(A) 市場リスクごとの感応度分析の開示(IFRS7.40(a))


 企業は企業が晒されているそれぞれの種類の市場リスクに関し感応度分析を行わなければなりません。企業は、大きく異なる経済環境からのリスクに対するエクスポージャーについて異なる特徴を有する情報を結合することなく、リスクの全体像を表示するためには情報をどのようにまとめるべきかを判断します。例えば、次のとおりになります(IFRS7.B17)。

(a) 金融商品を売買する企業は、売買目的で保有する金融商品に関する情報と売買目的以外で保有する金融商品の情報を別個に開示する。
(b) 超インフレ経済下における市場リスクに対するエクスポージャーと非常にインフレ率が低い地域の市場リスクに対するエクスポージャーをまとめることはできない。

 

 企業が1つの経済環境において1種類の市場リスクにしか晒されていない場合には、分解した情報は表示しません。

 

 関連するリスク変数(例えば、実勢市場金利、為替レート、株価又はコモディティ価格など)の合理的に起こり得る変動が、純損益及び資本にどのような影響を及ぼすかを示すために感応度分析を実行しなければなりません(IFRS7.B18)。

(a) 企業は、もし関連するリスク変数が異なっていたとした場合に当期に関する純損益がどのようなものになっていたかを判断することは求められていない。その代わり、関連するリスク変数の合理的に起こり得る変動が、報告期間の末日に生じ、かつ同日に存在するリスク・エクスポージャーに適用したと想定して、純損益及び資本に報告期間の末日にどのような影響が出るかを開示することになる。例えば、企業が年度末時点で変動金利負債を有している場合には、金利が合理的な範囲で変動したとしたら、純損益(すなわち、金利費用)にどのような影響が出るかを開示することになる。
(b) 企業は、関連するリスク変数の合理的に起こり得る変動の範囲の中で、それぞれの変動が純損益及び資本にどのような影響を与えるかを開示することは要求されない。合理的に起こり得る範囲の限度にまで変数が変動したとした場合の影響を開示すれば十分である。

 

 関連するリスク変数の合理的に起こり得る変動とはどのようなものかを判断するにあたって、企業は次の事項について考慮しなければなりません(IFRS7.B19)。

(a) 企業が事業を行う経済環境。合理的に起こり得る変動には、確率の非常に少ない、又は「最悪のケース」のシナリオ又は「ストレス・テスト」を含めてはならない。さらに、基本的なリスク変数の変動率が安定している場合には、すでに選択しているリスク変数の変動幅を変更する必要はない。例えば、金利は5%で、企業は、金利の変動は±50ベーシス・ポイントが合理的であると判断するとする。この場合、企業は金利が4.5%及び5.5%に変動した場合の純損益及び資本への影響を開示することになる。翌期、金利は5.5%に上昇した。企業は引き続き金利は±50ベーシス・ポイントの範囲で変動すると考える(すなわち、金利の変動率は安定している)。企業は、金利が5%ないしは6%になった場合の純損益及び資本への影響を開示することになる。金利がさらに大きく変動するであろうとする証拠が存在しない限り、企業は、金利は合理的に±50ベーシス・ポイントの範囲で変動するという想定を変更する必要はない。
(b) 評価の対象となる期間。感応度分析は、企業が次にこうした開示を行うまでの期間にわたり、通常は翌報告年度となるが、合理的に起こり得ると考えられる変動の影響を示すものでなければならない。

 

(B) バリュー・アット・リスク


 企業は、金融リスクのエクスポージャーを管理するのに使用する場合には、バリュー・アット・リスク分析など、リスク変数間の相互依存を反映する感応度分析を用いることも容認されています。この方法では損失の可能性のみが測定され、利得の可能性が測定されないとしても、用いることができます。そうした企業は、使用したバリュー・アット・リスク・モデルの種類(例えば、そのモデルがモンテ・カルロ・シミュレーションに依拠しているかどうか)、そのモデルがどのように適用されるかの説明及び主な前提(例えば、保有期間及び信頼水準)を開示すれば問題ありません。企業は、過去の観察期間と当該期間の観察事項へのウエートの置き方、オプションが計算の中でどのように取り扱われたか、及びどのボラティリティと相関(又は代替としてモンテ・カルロ確率分布シミュレーション)が用いられたかを開示することもできます(IFRS7.B20)。

 

(C) 金利リスク


 金利リスクは財政状態計算書に計上される利付金融商品(例えば、取得又は発行した負債性金融商品)及び財政状態計算書には計上されない一定の金融商品(例えば、ローン・コミットメント)に生じます(IFRS7.B22)。

 

(D) 通貨リスク


 通貨リスク(又は為替リスク)は外貨建金融商品、すなわち測定される機能通貨以外の通貨建金融商品に生じます。本基準に関しては、為替リスクは非貨幣性項目となる金融商品、又は機能通貨建金融商品からは発生しません(IFRS7.B23)。

 感応度分析は企業が大きなエクスポージャーを有するそれぞれの通貨に対して開示します(IFRS7.B24)

 

(E) その他の価格リスク


 その他の価格リスクは例えば、コモディティ価格又は資本性金融商品価格の変動により金融商品に生じます。感応度分析の規定に準拠するには、企業は、特定の株式指標、コモディティ価格又はその他のリスク変数の減少の影響を開示すれば問題ありませ。例えば、金融商品となる残存価格保証を付与する場合、企業は当該保証に係る資産の価値の増減を開示します(IFRS.B25)。

 株価リスクが発生する2種類の金融商品が存在するものの、それは(a)他の企業の資本性金融商品の保有と、(b)資本性金融商品への投資を保有することになる信託への投資です。その他の例としては、一定数量の資本性金融商品を売買することになる先渡契約とオプション契約及び資本性金融商品指数に連動するスワップなどがあります。そうした金融商品の公正価値は原商品となる資本性金融商品の市場価格の変動に影響されます(IFRS7.B26)。

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