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今日は、LINE上場のニュースからです。
【記事要約】
・スマートフォン向け無料通話・チャットアプリの開発を手掛けるLINE(東京・渋谷)は、東京証券取引所に上場する方針を固めた。
・時期は2014年夏をメドに調整しているとみられ、時価総額は1兆円規模になる可能性がある。上場で調達する資金はアジアなど海外事業の強化に充てる。
・米ツイッターが11月にもニューヨーク証券取引所に上場する見通しのほか、中国の電子商取引大手アリババ集団の上場観測も浮上。LINEを含めて、独自サービスに強みを持つ新たなネット関連企業が株式市場の注目を集めている。
・LINEアプリの利用者は国内で4800万人以上、世界全体では2億7000万人を超える。
・アプリは17の言語で展開し、台湾やタイ、インドネシアなどのほか欧州、北米や南米にも進出。ただ、似たようなサービスは競争が激しく、事業拡大には多額の投資が必要になる。上場で調達する資金はアプリの開発や広告宣伝などに投じる。
・公表資料によると、13年4~6月期の売上高は128億円と前年同期の4.5倍、1~3月期比で45%増。損益は非開示だが、同社のようなネット関連企業の場合は、利用者数や売り上げの足元の伸びが株価を決める物差しになることが多い。市場関係者の間では、上場時の時価総額は8000億~1兆円程度になるとの見方が多い。
<日本経済新聞 2013年10月25日 朝刊1面より>
ちなみに当報道に対してLINE㈱のプレスリリースでは「当社といたしましては、今後の事業拡大のため、様々な可能性を検討しておりますが、現段階におきまして、正式に決定している事実はありません。」と発表されています。
LINE株式会社(渋谷)の親会社であるNHN(韓)については、以前のビズブロでも取り上げました。
■ 2013/05/29 LINEの親会社NHN アジアのネット業界の席巻狙う
ブログ記事を書いたときから半年経ちましたが、LINEの登録ユーザー数はとうとうと2億人を突破しました。
若年層を中心に2011年6月23日にサービスを開始してから、約23ヶ月で世界1億5千万ユーザーを突破。その後成長スピードが加速し、2013年1月18日の1億ユーザー突破からわずか半年の7月21日時点で、世界の利用者数が2億人を突破しました。
インドやフィリピンなどでユーザーがのび、ヨーロッパ地域においてはスペイン、さらに南米地域ではブラジル、メキシコ、コロンビア、アルゼンチン、ペルーなどの国々でユーザーが急拡大しました。
フェイスブックやツイッターを凌ぐスピードですね。
LINE株式会社(渋谷)の業績はというと、公表されている一部の情報からの手探りですが、以下のとおりです。
2013年4-6月期(2Q)のLINE株式会社の売上高全体は、LINE事業および広告事業の好調で128億円(前年同期比約348.9%増、前四半期比約45.3%増)と急成長しました。
また、基軸事業であるLINE事業の売上高は 97.7億円(前四半期比約66.9%増)となり、LINE株式会社全体売上額の約76%を占めているようです。売上高の内訳は、ゲーム課金(売上構成比:約53%)、スタンプ課金(売上構成比:約27%)、公式アカウント・スポンサードスタンプ等となっており、意外にもゲーム収入が過半を占めています。
さらにLINE事業の成長は、親会社のNHN(韓)の成長も牽引している状況も読み取れます。
LINE株式会社の損益状況は、非公開のため、わかりませんが、親会社のNHNへの利益状況を見ると、LINE事業自体のマネタイズはこれからであると思われます。
■ LINE株式会社(全体)の売上高推移
<単位:10億円;NHNの四半期情報より>
■ LINE株式会社(LINE事業)の売上高推移
<単位:億円;LINE㈱のプレスリリースより>
■ 親会社のNHNの売上高推移
<単位:billion ウォン;NHNの四半期情報より>
■ 親会社のNHNの損益推移
ITサービスの分野でのベンチャーといえば、米ツイッターが来月にも上場すると報道されていますね。公開価格は1株当たり17-20ドルのようですので、ツイッターの公開価格に基づく時価総額は、最大109億ドルと、日本円で約1兆円といわれてます。
本日の記事によるとLINEの上場時の時価総額は8000億~1兆円程度になるとの見方が多いと報道していますから、LINEはツイッターと肩を並べる水準で評価されていることになります。
日本におけるIT大手のヤフーの時価総額が2.7兆円、楽天が1.7兆円、ガンホーが0.7兆円ですから、LINEへの期待の高さがうかがえます。
(ちなみに、SNS最大手の米フェイスブックが2012年5月に米ナスダック市場に上場したときの時価総額(初値ベース)は約1,150億ドル(約9兆1千億円)でした。)
期待の大きいLINEですが、本社は日本にありますので、今後の成長によって、日本のITベンチャーがより活性化されるとよいですね。
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