現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。
今日は、英バーバリーのニュースからです。
【記事要約】
・米アップルは14日、英ファッションブランド、バーバリーのアンジェラ・アーレンツ最高経営責任者(CEO、53)を来春新設する小売り・オンラインストア担当上級副社長に起用すると発表。アップルのティム・クックCEO直属となる。米国人のアーレンツ氏は中国など新興国での事業を拡大した実績がある。
・英バーバリーはアーレンツ氏の後任にチーフ・クリエーティブ・オフィサーのクリストファー・ベイリー氏(42)が就任すると発表。
<日本経済新聞 2013年10月16日 朝刊7面より>
CEOが転職したり、他の会社に引き抜かるということは日本では考えられないですね。
ウォールストリートジャーナルによると、アーレンツ氏は2006年にバーバリーに入社、当時のバーバリーは、ブランドの陳腐化に苦しみ、長い間対象としてきた富裕層向けの販売に悪影響が出ていました。在職後は売上高は3倍、株価は4倍に伸びるなど、業績の急回復を導いたとして高く評価されている敏腕経営者です。
今日は、アーレンツ氏は2006年にバーバリーに入社以降の業績も含めて、日本でもなじみ深いブランドバーバリーについて簡単に見てみます。
世界のブランド業界といえば、以前のビズブロでも取り上げましたので参考にしてみてください。
■ 2013/06/26 名門グッチに異変? ブランド帝国PPRが社名変更
バーバリーのステータスは、以下のとおりです。
Burberry(英) |
|
直近期(通期) | 2013.3 |
適用会計基準 | IFRS |
Revenue/売上高 |
£ 1,998.7 million (313,795 百万円) |
Operating income/営業利益 |
£ 345.8 million (54,290 百万円) |
売上高営業利益率 |
17.30% |
Net income/当期利益 ※ |
£ 254.3 million (39,925 百万円) |
Comprehensive income/包括利益 ※ |
£ 291.1 million (45,702 百万円) |
Total assets/資産総額 |
£ 1,746 million (274,122 百万円) |
Stockholders' equity/株主資本 ※ |
£ 1,017.0 million (159,669 百万円) |
Equity Ratio/自己資本比率 ※ |
60.29% |
ROE/株主資本利益率 ※ |
29.32% |
Cash flows from operating activities /営業活動によるキャッシュフロー |
£ 424.9 million (66,709 百万円) |
Cash flows from investing activities /投資活動によるキャッシュフロー |
£ △320.9 million (△50,381 百万円) |
Cash flows from financing activities /財務活動によるキャッシュフロー |
£ △159.8 million (△25,088 百万円) |
Cash and cash equivalents /現金・現金同等物 |
£ 296.6 million (46,566 百万円) |
※ 日本円ベースは157円/£(ポンド)で簡便的に換算している。日本円換算数値はあくまで参考値。
※ 当期利益、包括利益、株主資本は支配株主帰属分
※ 自己資本比率、株主資本利益率は期末残高ベースで簡便的に算出している。
ヴィトンやグッチのような、コングロマリット化しているブランドグループと比べると、規模自体は大きくありません。ただし、利益率、資本効率ともに優等生です。
最近では、ヴィトンがバーバリーを買収するのではないかと噂されることもありました。
さらにここ10年トレンドとセグメント情報を見てみます。
アーレンツ氏の入社は2006年、この当時はブランド力が落ちかなり苦戦したようです。リーマンショック直後はすこし現在の在職中に売上高は3倍近くまで伸びています。
アメリカ、ヨーロッパで復活したことはもとより、最近の成長力は何よりもアジアとりあけ中国での売上高が伸びがバーバリー復活の原動力になったようです。
従来の先進国を中心とした高価格戦略だったアップルも、iPhoneの新作5sでは廉価版iPhoneもリリースされ、新興国戦略への舵取りが伺えます。
以前のビズブロでも成長力の鈍化したアップルがさらなる成長を目指すには、アジアなどの新興国での需要をどう取り込むかが重要な課題である点触れました。
■ 2013/06/12 アップル、iOS刷新 成長路線続くか?
アーレンツ氏の中国など新興国での事業を拡大した実績をアップルでも活かすことができるのか、バーバリーは成長を維持することができるのか、注目ですね。
【関連記事】
現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。