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今日は、本日の日経朝刊のディズニーの記事からです。
【記事要約】
・米ウォルト・ディズニーの日本法人は、アニメ作品などを収めたDVDソフトをスマートフォンでいつでも再生できる新たなネット配信サービスに、2013年度にも乗り出す計画。
・「ディスク・トゥ・デジタル」と呼ばれる新サービスは、ディズニー作品を収めた市販のDVDやブルーレイ・ディスクソフトを保有する消費者に提供する。ディズニー作品は繰り返し視聴するニーズが高い。
・ユーザーはまず、DVDやBDを再生できるパソコンで専用サイトにアクセスし、有料でデータを配信用に変換する。店舗にソフトを持ち込んで処理することもできる。 変換後のデータは「ビデオロッカー」と呼ぶシステムに蓄積。スマホやタブレットなどのネット端末で、未来永劫、いつでも視聴できる。米国ではウォルマートなどが同サービスを手掛けている。
・既存の動画配信サービスは視聴のたびに課金される。これに対し、「ディスク・トゥ・デジタル」はユーザーが購入済みのDVDソフトを活用するため、当初のデータ変換以外は低コストで済む。 ディズニーはパッケージソフトと動画配信サービスを組み合わせることでコンテンツ資産を有効活用する。消費者がディズニー作品に触れる機会を増やし、ビジネス拡大につなげる構えだ。
<日本経済新聞 2013年9月18日 朝刊9面より>
「ディスク・トゥ・デジタル」...今度日本でも浸透しそうなサービスですね。
今日は、(米)ディズニー本社である、ウォルト・ディズニーについて簡単に見てみます。
ちなみに、オリエンタルランドが、米ウォルト・ディズニーとのライセンス契約により経営している、「東京ディズニーリゾート」は過去のビズブロでも取り上げましたね。
いつもとおりの、海外企業のステータス表は下記のとおりとなります。
The Walt Disney Company (米) |
|
直近期(通期) | 2012.9 |
適用会計基準 | US |
Revenue/売上高 |
42,278 million (4,227,800 百万円) |
Operating income/営業利益 |
9,964 million (996,400 百万円) |
売上高営業利益率 |
23.56% |
Net income/当期利益 ※ |
5,682 million (568,200 百万円) |
Comprehensive income/包括利益 ※ |
5,046 million (504,600 百万円) |
Total assets/資産総額 |
74,898 million (7,489,800 百万円) |
Stockholders' equity/株主資本 ※ |
39,759 million (3,975,900 百万円) |
Equity Ratio/自己資本比率 ※ |
56.02% |
ROE/株主資本利益率 ※ |
14.29% |
Cash flows from operating activities /営業活動によるキャッシュフロー |
7,966 million (796,600 百万円) |
Cash flows from investing activities /投資活動によるキャッシュフロー |
△4,759 million (△475,900 百万円) |
Cash flows from financing activities /財務活動によるキャッシュフロー |
2,985 million (298,500 百万円) |
Cash and cash equivalents /現金・現金同等物 |
3,387 million (338,700 百万円) |
※ 日本円ベースは100円/$で簡便的に換算している。日本円換算数値はあくまで参考値。
※ 当期利益、包括利益、株主資本は支配株主帰属分
※ 自己資本比率、株主資本利益率は期末残高ベースで簡便的に算出している。
日本円で、売上高は4兆円、営業利益は1兆円規模、営業利益率は20%超、ROEも10%超、自己資本比率50%超とかなりの優良企業です。
業績はというと、リーマンショックのあった2008年頃は落ち込んでいるものの、ここ最近業績は伸びていますね。
利益も、ここ4年間で右肩上がりです。
収益の源泉も見てみます。
ディズニーというと、テーマパークと映画のイメージがありますが、稼ぎ頭は、メディア事業です。
メディア・ネットワーク事業では、ディズニー専門チャンネルだけでなく、テレビ放送局ABC、スポーツ専門放送局ESPNなどを展開しています。
特にメディア部門が堅調で、傘下のESPNは全米で人気の高いプロフットボールのNFLやプロバスケットボールのNBAの主催する試合を放送しており、広告収入が伸びているようです。ここは、日本人のディズニーのイメージとは全く異なりますね。
また、下記セグメント概況を見ると、米国本社のメディア・ネットワーク、パーク&リゾート、スタジオ・エンターテイメント、コンシューマ・プロダクツ、インタラクティブの5つのセグメントで相乗効果を高めながら、多角化経営を展開していることがわかりますね。
ちなみに、ディズニーランドなどのテーマパーク事業は、 「パーク&リゾート」セグメント事業に、映画は、「スタジオ・エンターテイメント」セグメントに含まれます。
(東京ディズニーリゾートはライセンス契約により、オリエンタルランドが経営し、それ以外は全て米ディズニーの子会社・関連会社が運営しています。)
昨年「スター・ウォーズ」などを手掛けた映画制作会社ルーカスフィルムを買収するなど、近年ディズニーは巨大メディア・コンテンツ企業としての地位にありますね。さらにアジアを中心として新興国での人気もあり今度のさらなる伸びが期待できます。
今後の展開に注目です。
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