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今日は、映像コンテンツの輸出の記事からです。
【記事要約】
・スカパーJSATはフジテレビジョンなど日本の放送会社約50社と連携し、アジアで現地語による日本番組専門チャンネルを立ち上げる。インドネシアで2014年1月にも放送を始め、ミャンマーやタイにも順次広げる。有力放送局が共同で映像コンテンツ分野でも急拡大するアジア市場を開拓する。
・スカパーはインドネシアの有料放送最大手MNCスカイビジョンと衛星放送チャンネルの利用に向け最終調整に入った。フジや日本テレビ放送網などの地上波放送局や、スペースシャワーネットワークなど通信衛星(CS)で放送している専門チャンネル会社がスカパーに日本で放送したアニメ、音楽番組などを提供し、24時間流す。
・MNCから放送収入を得るが、日系企業のCMを主な収益源として、番組を提供した放送会社間で分配する。日本の広告会社などと組んで番組の関連商品などのインターネット通販も計画する。ミャンマーやタイの放送局とも同様の事業モデルでチャンネル利用の交渉を進めている。 ・日本政府はクールジャパン戦略の一環で12年度補正予算で155億円を確保して映像コンテンツの輸出を支援する基金を創設。スカパーなどは吹き替えや字幕制作の費用などで基金の支援を活用する考え。
・映像コンテンツ輸出では韓国が先行し、官民連携でテレビ番組をアジアの放送局に無償や低価格で大量提供。各国に韓国文化を浸透させ、韓国製コンテンツや商品の輸出を増やしている。日本のテレビ番組の輸出額は年間60億円程度とみられ、韓国の3分の1にとどまっている。
<日本経済新聞 2013年8月18日 朝刊7面より>
国内のテレビ離れが加速し、視聴率低下が叫ばれる中、CSを手掛けるスカパーが中心となり日本のテレビ番組の輸出へ向けた動きがあるようです。
インターネットをはじめとする他媒体の優位性の向上によるテレビメディアの相対的優位性の低下や、それに伴うテレビ広告の減少については、過去ビズブロでも取り上げました。そこではテレビメディアがネットへ活路を見出す動きなどについて取り上げましたね。
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おそらくテレビメディアの国内での優位性の低下を打開するもう一つの道となるのが今回のような海外進出になるのでしょう。
ドラマなど映像コンテンツの輸出というと韓国が先行していているのは有名な話ですが、果たして日本の番組もアジアで受け入れらるのか注目ですね。
テレビメディアや広告代理店業界については、過去取り上げたので、最後に有料チャンネルであるCS放送を手がけるスカパーJSATホールディスの業況について簡単に見てみます。
スカパーJSATホールディングスの主な業績指標とスカパー加入者状況の推移は下記のとおりです。
テレビ業界の放送事業が低調に終わる中、スカパーJSATホールディングスは、全体的には業績は安定しています。
スカパーの登録者数も微増ですが、ここ最近鈍化しています。また、解約率の上昇も気になるところです。
ただし、セグメント情報情報を見ると、利益のほぼ全てを最近は、衛星通信サービスなどの衛星運営が占めている状況であることがわかります。
やはり、メディアや娯楽が多様化するとともに、フリーの情報が溢れる中、放送事業は難しいですね。
<セグメント内容>
■有料多チャンネル事業
各チャンネルを運営する放送事業者に、顧客管理業等のプラットフォームサービスの提供を行うとともに、通信衛星や光ファイバ等の回線を利用して放送を行う事業。
■宇宙・衛生事業
放送事業者にトランスポンダー(衛生中継器)を提供するとともに、政府・公共団体や企業にデータ通信や移動体通信等の衛生通信サービスを提供する事業
(注)2011年3月期から、従来の有料多チャネル事業に含まれていた通信衛星設備等の衛星関連資産について「宇宙・衛星事業」へ集約し、当該通信衛星設備等の放送用トランスポンダー(衛星中継器)に関連する取引についても宇宙・衛星事業へ移管している。
日本のコンテンツの輸出というハローキティーが成功の代表例ですね。日本の映像コンテンツも同じよう世界へ羽ばたけるのでしょうか。
クルージャパン戦略と相俟って、映像コンテンツの輸出が放送会社の新たな成長源・収益源になるのか注目です。
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