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今日は、米アップルのiOS刷新のニュースからです。
【記事抜粋】
アップル(米)の「世界開発者会議」(WWDC)が10日午前10時(日本時間11日午前2時)、サンフランシスコ市内で開幕した。アップルは、基本ソフト(OS)の最新版となる「iOS7」や新型ノートパソコンなどを披露した。注目された開幕の「基調講演」にはティム・クック最高経営責任者(CEO)が登場。アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」やタブレット端末「iPad(アイパッド)」を動かす新型OS「iOS7」を発表した。
<朝日新聞デジタル版:http://www.asahi.com/business/update/0611/TKY201306110006.html >
毎年世界が注目するアップルのWWDCのニュースでした。
昨年にiPhoneの最新機種「iPhone5」がリリースされた際は、革新性が無くなった、退屈になったなど、アップルの革新性の鈍化が叫ばれましたが、市場の期待にこたえる革新的な発表はあったのでしょうか。
WWDCの主な発表内容は以下のとおりです(その道のプロではないため正確ではない点もあるかもしれませんがご了承ください)。
<iOS7のリリース>
・画面のデザインの一新。“フラットデザイン”と呼ばれている全体にシンプルなテイストを採用し、アイコンなどが立体感を抑えたフラットなものに変わる。ロック画面やカレンダー、計算機などの標準アプリのデザインも一新。
・ホーム画面やアプリの利用中、画面を下から上にスワイプすることで呼び出せる「コントロールセンター」機能の追加。これまで「設定」のアイコンから呼び出さなければならなかったWi-FiやBluetoothの制御、画面の明るさなどがいつでもすぐに変更できるようになる。音楽の操作や音量調整もここからアクセスできる。
・マルチタスク機能の改良。ほかのアプリを利用しているバックグラウンドでも動作しやすくなった。しかもバックグラウンド動作をさせながらも、バッテリー消費を抑えているという。
・Wi-FiかBluetoothを利用し、近くにいるiPhone同士でファイルのやり取りができる「AirDrop」を新たに搭載。写真などが面倒な設定なしに簡単に送れる。
・カメラ機能は、撮影画面のデザインが新しくなった。Instagramのように、撮影時にさまざまな効果をかけるフィルター機能も新たに盛り込まれた。
・写真アプリも一新。撮影した写真をイベントや年ごとに分類する機能が備わったうえ、サムネイルをより小さく表示して一覧性を高めるとともに、画面タッチで拡大表示する機能も備えた。
・自動車に装備された液晶ディスプレイを使い、iPhone用アプリの利用や操作を可能にする「iOS in the Car」も発表。自動車の液晶ディスプレイを使ってiPhoneの画面表示やタッチ操作をリモートで行う仕組みという。自動車との連携を図る「iOS in the Car」も発表。車載のタッチパネル付きディスプレイにiPhoneを接続することで、iPhone用アプリの表示や操作が可能になる。i
・iOS 7は、iPhone 4以降で利用できる。提供は2013年秋以降の予定。
<iTunes Radioの追加>
・ストリーミング形式のインターネットラジオ「iTunes Radio」が追加。 音楽をストリーミングで聴く方が簡単だと感じるリスナーが増えているため。ユーザーがよく聴く音楽などの傾向をチェックし、好みの音楽が流れるようになっている。広告モデルを採用し無料で利用できる(日本でのサービス開始は未定)。
<その他>
・MacBook Airでは、インテルの最新のCPU「Haswell」を搭載することで、処理性能の向上とバッテリー駆動時間がアップ。内蔵無線LANが最新のIEEE802.11acになり、高速通信が可能。
ちなみに、MacBook AirでRetinaディスプレイ搭載モデルの発表も期待されていましたが(筆者も期待していましたが)、今回はありませんでした。
・パソコン向けの次世代OSである「OS X Mavericks」を発表した。プロ向けデスクトップパソコン「Mac Pro」の次世代モデルの発表(そのデザインにはかなりの反響がありますね)。
また、腕時計型デバイスの発表なども噂されていましたが、今回発表はありませんでした。
【主なリソース】
日経トレンディネット:http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130611/1049977/?n_cid=nbptrn_twc&rt=nocnt
最後にここ5年のアップルの成長の軌跡を振り返ってみます。
新製品の発売とともに、収益利益ともに急成長を遂げてきました。とくに「iPhone4s」の大ヒットは凄まじいものがあります。
ここ1年も、「iPhone5」や「iPad mini」などのリリースにより、収益は拡大してきましたが、一方最近では高成長期から壮年期に入ったとの声も出てきました。というのは、売上規模こそ右肩上がりですが、利益が10年ぶりの減益を記録したからです。
最近、iPhoneはグーグルのOS「アンドロイド」を搭載するライバル機に市場シェアを奪われつつありましたし、スマートフォン販売台数の世
界シェアではもはやサムスン電子(韓国)に抜かれています。
このような環境のもと、製品単価が下落しており、今までのように高付加価値製品を世界に送り出し、高くても売れるというアップルの強みが揺らぎ始めているわけです。
セグメント情報の推移も見てみます。
(注) 途中から中国がその他アジアから別掲表示されている。
(注)途中からセグメント区分に若干の変更があるが、筆者判断で区分して集計している。
ここ5年間の成長は先進国でのiPhoneの爆発的大ヒットが原動力なのは明らかですが、ここ最近はタブレット端末である”iPad”伸びや、”中国セグメント”の伸びも見逃せません。
さらなる成長のためには、アジアなどの新興国での需要をどう取り込むかが重要な課題であることを物語っていますね。廉価版iPhoneのリリースが噂されるのは、こうした新興国需要を無視できないためでしょう。
また、サムスン電子のギャラクシーノートのヒットやタブレット端末がパソコンの出荷台数を追い越すと予測される中、iPadラインの強化も今後の成長には欠かせないでしょう。
革新性への陰り、成長鈍化の懸念を反映してか、現在株価は最高値から4割も落ちています。
※MSNマネーより
アップルの強みは、ハードではなくソフトです。
革新的な端末であるiPhone発売後も、iPad、iCloud、Siriなど様々な革新的な端末やサービスを世界に送り出してきました。iPhone5は、LTEの搭載など確かに進化はありましたが、あくまで性能の向上というハードの領域を超えるものはあまりなかったように思います。
iOS7やiTunes Radioなど今回のソフト強化戦略が新たな成長ステージへの起爆剤となるのか注目ですね。
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