現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。
今日は、スーパーゼネコン鹿島の記事からです。
【記事要約】
・鹿島は12日、2013年3月期の連結営業利益が前期比49%減の150億円になりそうだと発表。従来予想から半減する。
・アルジェリアで建設する高速道路の追加工事に関し、発注者である現地政府からの代金の支払いが想定を下回り、工事採算が悪化する見通しとなったことが影響する。アルジェリアの高速道路工事では工期の遅れを巡り11年3月期にも損失処理をしている。
・アルジェリアの追加工事で費用負担に関する現地政府との交渉が長期化、想定した代金を受け取れず、費用が膨らむことが背景にある。東日本大震災の復興需要で型枠工らが不足し、労務費が上昇。国内建築工事の採算が悪化することも響く。
(2013年3月13日付の日本経済新聞朝刊15面より)
記事に関するプレスリリースも参考にしてください。
<プレスリリース>
http://www.kajima.co.jp/ir/finance/pdf/20130312-shusei-j.pdf
スーパーゼネコンについては、一昨年以降取り上げていなかったので、上場している4社についてのステータスを更新します。
鹿島 | 清水建設 | 大成建設 | 大林組 | |
直近期 | 2012.3 | 2012.3 | 2012.3 | 2012.3 |
売上高 | 1,457,754百万円 | 1,336,194百万円 | 1,323,503百万円 | 1,245,772百万円 |
営業利益 |
29,499百万円 |
17,566百万円 |
36,485百万円 |
31,145百万円 |
営業利益率 |
1.30% |
1.55% |
2.98% |
2.05% |
経常利益 |
41,343百万円 |
16,159百万円 |
30,242百万円 |
35,241百万円 |
当期利益 |
3,833百万円 |
1,430百万円 |
1,181百万円 |
5,142百万円 |
包括利益 |
11,388百万円 |
16,050百万円 |
7,661百万円 |
20,264百万円 |
資産総額 |
1,686,221百万円 |
1,410,975百万円 |
1,494,695百万円 |
1,618,748百万円 |
株主資本 |
233,457百万円 |
246,858百万円 |
284,713百万円 |
250,251百万円 |
自己資本比率 |
15.2% |
21.6% |
19.5% |
21.0% |
自己資本利益率 |
1.5% |
0.5% |
0.4% |
1.5% |
営業活動CF |
81,729百万円 |
10,518百万円 |
105,100百万円 |
65,755百万円 |
投資活動CF |
△38,724百万円 |
△21,566百万円 |
△8,095百万円 |
△1,919百万円 |
財務活動CF |
△37,752百万円 |
△23,942百万円 |
△58,821百万円 |
△48,949百万円 |
現金・現金同等物 |
160,623百万円 |
209,773百万円 |
241,163百万円 |
121,682百万円 |
各社の特徴、海外展開などは、前回のビズブロで分析しているので、こちらも参考にして下さい。
海外戦略については、鹿島と大林組は海外売上高比率(特にアジア)が他の2社より高く海外進出が進んでいる点指摘しました。公共事業の縮小の中、海外に活路を求めていると思われます。
下記グラフのとおり、国内市場がジリ貧の中、2000年当初より海外とくに新興国事業へシフトを進めてきた鹿島ですが、ここ数年、海外事業関連が会社利益を圧迫することも多々あるようです。
今期の決算もそうですが、2010年3月期にはドバイ都市鉄道とアルジェリア高速道路の海外土木工事で巨額の損失を計上し2010年3月期には営業赤字に転落しています。
新興国ビジネスは、日本企業にとって成長分野である一方、そのリスクの管理の難しさも感じますね。
ゼネコン業界の海外戦略に今後も注目していきたいと思います。
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