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今日は、日経朝刊9面のスターバックスの記事からです。
【記事要約】
・外食各社がドライブスルー店の出店を強化する。
・スターバックスコーヒージャパンは2015年3月末までに現在の倍になる約200店まで増やす。同社の1店舗当たりの売上高は平均1億円強だが、ドライブスルー店舗になると2~3割の増収が見込める。955店を展開するスタバの12年3月期の売上高は前期比6.1%増の約1078億円、営業利益は同23.1%増の78億円で、いずれも過去最高を更新。主力販売先であるビジネス街や繁華街での売上は伸びており、現在の出店先も関東圏が5割超と大都市圏が中心となる。しかし、大都市圏では収益が見込める好立地が減少。地方も駅前など中心市街地は衰退し、好立地が少ない。このため、店舗設計の自由度が高く、商業施設やオフィスなどが増えている幹線道路沿いなど地方都市の近郊に軸足を移すことにした。
・バーガーキング・ジャパンも7月に札幌市で参入する。
・ドライブスルーで先行する日本マクドナルドは携帯電話やカーナビなどITを絡ませ、効率的な注文・決済ができる新型のドライブスルーの開発に動いている。3月には国土交通省所管の財団法人道路新産業開発機構を中心にトヨタ自動車など25社と共同で、カーナビからメニューを選べばクレジットカードで自動決済し、店では受け取るだけで済む実験に取り組んだ。
・好立地が少なくなってきた大都市部から、地方の幹線道路沿いなどに収益の軸足を移す。成長する「持ち帰り需要」をめぐり、コンビニエンスストアなどの顧客争奪も激化しそうだ。
都市部の外食産業が飽和状態の中、消費者節約志向で成長する”中食”ビジネスを取り込もうとする動きが活発化しているようです。
中でも、過去最高売上高、利益を更新したスターバックスが、ドライブスルーへ力を入れていくという記事でした。
確かに、都心部では至る所でスターバックスの看板を見かけるようになりました。
都心部では、同業者も多くまた、立地が全てといわれるなか、更なる成長を実現するには、郊外型のビジネスモデルの確立が必要なのでしょう。
ちなみに、過去のビズブロでもカフェ業界は取り上げましたね。
2012年3月期までのスターバックスジャパンの業績を簡単に見てみます。
情報源は、スターバックスジャパンIR情報より抜粋、単位は百万円です。
<スターバックス・ジャパン>
売上高は店舗拡大により右肩上がり、利益面ではコーヒー豆の高騰の影響があるものの円高メリット上回ったなどの要因により利益金額、利益率ともに回復しています。
ちなみに、2011年3月期で最終利益が大幅に悪化しているのは、資産除去債務に関する会計基準の新規適用による影響です。
店舗数はというと順調に増えてきていますが、エリア別に見てみると、関東中心であることがわかります(関東甲信越エリアで日本全店舗の54%を占めています)。
スターバックス・ジャパンの成長のけん引役であった関東の店舗数の成長は鈍化しており、成長維持のためには郊外型のビジネスモデルの確立が必要であったことがわります。
スターバックス・ジャパンといえば日本マクドナルドと同じように、アメリカのスターバックスのフランチャイズ会社です。
そこで、最後に本国のアメリカのスターバックスの財務情報を簡単に見てみます。
参考まで(米)マクドナルド情報も添付しておきました。
(米)スターバックス/Starbucks |
(米)マクドナルド/McDonald's |
|
直近期(通期) | 2011.9 | 2011.12 |
Revenue/Net sales (売上高) |
$11,700 (9,360億円) |
$27,006 (2兆1,604億円) |
Operating income (営業利益) |
$1,728 (1,382億円) |
$8,530 (6,824億円) |
Net income (当期純利益) |
$1,245 (996億円) |
$5,503 (4,402億円) |
Cash and cash equivalents (現金および現金同等物) |
$1,148 (918億円) |
$2,335 (1,868億円) |
Total assets (資産総額) |
$7,360 (5,888億円) |
$32,990 (2兆6,392億円) |
Stockholders' equity (株主資本) |
$4,384 (3,507億円) |
$14,390 (1兆1,512億円) |
※ 日本円ベースは直近為替レート80円/$で簡便的に換算している。日本円換算数値はあくまで参考値。
<(米)スターバックス>
(単位:milion)
2008年には不採算店600店舗(全米店舗の約5%)を閉鎖するなど窮地に立たされていた(米)スターバックスですが、経営再建の結果、ここ2年間は好調を維持しています。
FCも含めた全世界の店舗展開状況をグラフ化してみると以下のとおりです。
実は、FC店舗の展開では、日本が本国アメリカに次いで第2位であることがわかります。韓国が第3位ですからアジアでの展開が盛んなんですね。意外にもヨーロッパにはあまり店舗はないようです。アメリカとヨーロッパではコーヒー文化・エスプレッソ文化が違うためでしょうか。
ただし、まだまだ新興国の店舗数は少ないようなので、今後新興国の伸びシロに注目です。
好調な日本のスターバックスと本国アメリカのスターバックス。
日本のスターバックスは郊外に、本国アメリカのスターバックスは新興国に活路を見出していくのでしょうか。
今後の戦略に注目です。
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