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今日は、本日朝刊のキャタピラー(米)の記事からです。
【記事要約】
・米企業がコスト削減を進めている。
・ゼネラル・モーターズ(GM)は米国で年金債務の大幅削減に着手。キャタピラーは北米で人件費カットを強行する。いずれも販売が好調で2011年通期決算で過去最高益を更新したばかり。
・米景気の先行き不安や新興国の成長鈍化を受け、手元資金が潤沢なうちに守りを固める動きが広がっている。
・キャタピラーは北米の工場で労使契約の改定に着手した。内容は工場によって異なるとみられるが中堅以上の社員は昇級を凍結。若手は実質的に賃下げするもよう。
・両者とも11年通期決算で過去最高益を更新している。ただ、米国では雇用者数が1年ぶりの低い伸びにとどまるなど景気回復に停滞感が立ている。新興国も成長率が鈍化している。世界の景気の悪化に先回りする形でリストラを断行し収益を維持する狙い。
(2012年6月12日 日経朝刊6面)
日本の建機メーカーであるコマツが新興国の経済成長御取り込み好調なのは何度かビズブロでも取り上げましたが、建機の巨人キャタピラーも業績は好調です。しかし、世界経済の減速懸念の中、足固めに注力しているようです。
今回は世界に目を向けキャタピラーとコマツの業績を比較してみます。
キャタピラー/Caterpillar(米) |
コマツ(日) |
|
直近期(通期) | 2011.12 | 2012.3 |
Total sales and revenue/売上高 |
$60,138 million (約 4,811,040 百万円) |
1,981,763 百万円 |
Operating income/営業利益 |
$7,153 million (約 572,240 百万円) |
256,343 百万円 |
売上高営業利益率 |
11.89% |
12.93% |
Net income/当期利益 |
$4,928 million (約 394,240 百万円) |
167,041 百万円 |
Cash and cash equivalents and short-term investments /現金・現金同等物および短期投資 |
$3,057 (約 244,560 百万円) |
83,079 百万円 |
Total assets/資産総額 |
$81,446 (約 6,515,680 百万円) |
2,320,529 百万円 |
Stockholders' equity/株主資本 |
$12,929 (約 1,034,320 百万円) |
1,009,696 百万円 |
※ 日本円ベースは80円/$で簡便的に換算している。日本円換算数値はあくまで参考値。
売上規模こそ、コマツはキャタピラーの半分ですが利益率ではキャタピラーを上回ります。
ITを駆使したコマツの建機が、世界のトップクラスの付加価値を生み出しているという証左なのでしょうか。
コマツの業績推移は、過去のブログを参照してもらうとして、今日は最後にキャタピラーの業績を簡単に見てみます。
リーマンショック後の世界経済の急速な悪化により、業績は急激に回復しています。
要因は何かというと以下のグラフのとおりここ5年間にアジアやラテンアメリカにような新興国の売上高が急激に伸びています。
実際、ここ5年間にアメリカ国内での売上高比率は下がり、海外とりわけ新興国の需要を取り込み成長してきたことがよくわかります。
新興国の経済成長を取り込み業績を伸ばしてきたのはコマツと共通していますが、コマツと比較するとアジアよりもラテンアメリカにつ強いように思います。
最近ヨーロッパから端を発した金融不安により再び世界経済の減速懸念が騒がれています。
建機業界は世界経済、特に新興国経済に敏感な業界です。
ヨーロッパから端を発した世界経済の混乱が、今後の新興国経済にどのくらい影響を与えるのかの一つのバロメーターとして建機大手2社の業績に注目したいと思います。
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