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今日は、ファミリーマートの決算発表の記事からです。
【記事要約】
・ファミリーマートは9日、2014年2月期の連結経常利益が前期比5%増の478億円になるとの見通しを発表。4期連続で過去最高となる。国内で年1500店と過去最多の出店に踏み切るほか、好採算のプライベートブランド商品の拡充で採算改善を目指す。
・決算発表の記者会見で、出店数を従来計画の千店規模からさらに積み増す方針を表明。業界首位のセブン―イレブン・ジャパンとほぼ同規模の出店でシェア拡大を目指す。これまでの都市圏中心から今後は地方都市への出店を増やし、好立地をおさえていく計画。
・純利益は10%減の225億円の見通し。前期はタイ子会社株を現地のパートナー企業に売却するなどして特別利益が45億円発生、今期はその反動で減益。
・同時に発表した13年2月期連結決算は、売上高が前の期比1%増の3340億円、経常利益は1%増の454億円と過去最高だった。
(2013年4月10日付の日本経済新聞朝刊13面より)
今週は2月決算会社が多いスーパーやコンビニなど小売業の決算発表がピークを迎えます。昨日までにセブンイレブンやファミリーマートの決算短信が既に出ています。イオンやローソンは、今日発表ですから明日の朝刊で決算内容について記事が載るかもしれません。
コンビニは、過去のビズブロでも多く扱っていますので参考にして下さい。
最近では、ローソンの最高益の記事もありましたね。業況は良いようです。
■ 2011/11/21 海外出店数、国内を逆転 コンビニ5社、純増1.5倍
では今回の記事の主役のファミリマートの業績について少し深下げて見てみることにします。
主要な経営指標の推移をグラフ化すると以下のとおりです。
リーマンショックのあった時期など少し落ち込んだ時期がありましたが、ここ10年間で店舗数の増加とともに順調に成長しています(店舗数推移は後半に記述)。ROEも今期はかなり上昇し10%を超えています。
営業利益率は横ばいですので(もしくはデフレ環境の中、維持できているという表現の方が正しいのかもしれません)、ROAの上昇、自己資本比率の低下の状況を見ると、資本効率の向上と財務レバレッジの効果による要因が大きいと考えられます。
店舗数の推移も見てみます。
ファミリーマートは、海外出店数が国内出店するを上回っており、国内店舗よりも海外店舗の展開に重点を置いていることがよくわかります。
過去のビズブロでも、コンビニ大手3社のうち、セブンイレブンとファミリーマートが、海外市場へシフトする一方、ローソンは国内市場に注力している戦略の違いについて取り上げました。
■ 2011/11/21 海外出店数、国内を逆転 コンビニ5社、純増1.5倍
これは、国内コンビニ市場の成熟化やそれに伴う過当競争、またデフレ環境下での利幅の低下圧力の増加などにより、成長力・採算性の高いアジアを中心とした海外市場へ舵をきったと考えられます。
しかし、近年スーパーもそうですが、PBブランド商品の拡充により、成熟化した国内市場でも採算が改善されていきているようです。
実際ローソンが営業利益最高を出した要因のひとつがPB商品の拡充でした。
こうした環境変化により、今まで海外戦略に積極的だったファミリーマートも、PB商品を武器に今期は国内市場に力を入れることとなったと考えられます。
4日に一足早く決算発表したセブンイレブン・ジャパンが、今期国内で過去最大となる1500店を新規出店する計画だと発表したばかりですが(2013年4月5日付の日本経済新聞朝刊1面より)、今日の日経の記事によると、ファミリマートの同等の規模の1500店舗の出店で追随する構えのようです。
コンビニ最大手のセブンイレブンでも、ここ10年で最も多く出店した年(23年度)で773店舗(国内)ですから、両者の今期の出店規模の大きさがよくわかります。
実際、国内市場は、売上高もそうですが、店舗数でもセブンイレブンに大きく水をあけられていますので、国内市場で今後セブンイレブンにどれだけ追随できるのか、もしくはさらに差をつけられるのか、気になるところです。
また、安倍首相の賃上げ要請に、いち早く応える姿勢を見せたローソンやセブン、ファミマですが、今後前倒しで増やしたコストを業績に向上に転嫁できるのかも注目ポイントですね。
今後のコンビニ業界に注目です。
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