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記事が若干古いですが、米IBMのアフリカ大陸初の研究所創設の話題から。
【記事要約】
・米IBMは、アフリカ大陸で最初のIBM研究所をケニアの首都・ナイロビに開設した。
・IBM研究所がアフリカで行う活動のテーマは、主に3つ。
・1つ目はICTを使って政府の運営や政府提供サービスを向上させること。
・2つの目は、スマートシティ化を進めること。水道サービスや公共交通サービスの開発・改良を目指す。
・3つ目は、アフリカで新たな産業をけん引できるリーダーを育成すること。このため、大学や政府機関、企業と手を組んで、ICTや関連した科学技術のスキルの向上を図る。そのため、現地の科学者を積極的に採用する「IBM Research Resident Scientist Program」をケニアの研究所で実施する。
(日経BPニュースセレクト、Tech -On! 2012年8月16日掲載)
<要約記事はここまで>
IBMのプレスリリースは、次のとおり。
■2012/08/13 IBM Release - IBM Research - Africa will be Company’s Twelfth Global Lab
【リソース】IBMホームページより。
先週の金曜日は、HP(ヒューレッド・パッカード)について取り上げたので、今日はIT業界を長年けん引してきている、米IBMの業績について簡単に見ていこうと思います。
◆米IBMの業績推移
IBMの業績推移は以下のとおりです。
<売上高推移>
【リソース】10-Kより筆者集計。
直近期はリーマンショック前を超える水準まで回復していきます。
日本円で約8兆4000億円ほどの規模になります。
<利益推移>
【リソース】10-Kより筆者集計。
とても高い利益率ですね。
20%弱の営業利益率、最終利益でも15%弱です。
高付加価値サービスの世界的な代表企業と言えますね。
さらに、ROAとROEをみると効率性の高さがうかがえます。
<ROA/ROEの推移>
【リソース】10-Kより筆者集計。
IBMはリース事業を中心としたファイナンス事業を展開しているため、負債比率が非常に高い構図とり、かつBSが両膨らみになっているため(すなわち純資産が小さい)、ROEは極端に高い数値となっていますが(ブレも大きい)、それでもROAも20%弱と非常に高く、資産効率性の高さがうかがえます。
前回のBizBlogでは、HPやWindowsのパソコン事業の不振と巻き返しについて話題にしましたが、IBMといえば、そのパソコン事業を2004年にレノボ(中国)へ売却したのが大きな話題になりました。
IBMは大型メインフレームのメーカーとしてブランドを築き、パソコンメーカーとしてはどちらかというと後発部隊であったにもかかわらず、パソコン市場に参加した1980年代から一挙に業務用PCとしてシェアを獲得していきました。
「当時8ビットPCが主流だったところに、16ビッドPCで参加し、PC業界のドミナントデザインを変更できたから」とか、「大型メインフレームメーカーとしてブランド力というブランド戦略の成功」とか、そういう感じでしばしば経営学の本には登場しますね。
そんなPC事業を12億5000万ドル(約1300億円(当時))でレノボに売却したので、『集中と選択』というテーマでも、IBMは経営学の本でたびたび取り上げられるのです。
最近では、日本IBMにおいて、相当ぶりに外国人社長が登用されたことが話題になってましたね。
日本IBMは独立性が高いことで有名ですが、米IBMと反対にここ最近は売上が減少しており、若干業績が厳しそうですね。
米IBMは次の展開として、アフリカ大陸のスマートシティ開発に着手しようとしています。
インフラ系ビジネスを得意とする日立や福島県にスマートシティ構想を提唱した富士通なども世界展開しているでしょうが、アフリカ大陸でスマータービジネスを展開していこうとする当たりが一歩早い感じがしますね。
世界最大手のシステムインテグレーション企業として、今後も注目していきたいですね。
以 上
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