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今日は、昨日話題になった米Yahoo!の新CEOの話題から。
【記事要約】
・インターネット大手の米ヤフーは16日、空席が続いていた最高経営責任者(CEO)職にグーグルの女性エンジニア、マリッサ・メイヤー氏(37)を起用すると発表した。
・メイヤー氏はグーグルの創業期から同社を支えたエンジニアで、創業者コンビやエリック・シュミット会長と並んで同社の顔ともいえる存在だった。
・メイヤー氏はスタンフォード大学でコンピューターサイエンスの修士号を取得。1999年、グーグルに20番目の社員として入社。グーグルのネット検索やメールなどの技術開発を手掛けて同社の成長を支え、最近では地図や位置情報サービスなどの担当副社長を務めていた。
・経営不振が続く米ヤフーは、昨年9月にキャロル・バーツ元CEOが退任した後、今年5月、後任のスコット・トンプソン前CEOも大株主のヘッジファンドとの対立や学歴詐称問題を受けて辞任。後任探しが難航していると報じられ、ロス・レビンソン暫定CEOがそのまま正式なCEOに昇格するとの見方もあった。
(2012年7月17日日本経済新聞電子版の要約)
この報道を驚きの声をあげて聞いたIT関係者は多いのではないでしょうか。
それほどIT業界に精通しているといえない筆者でも彼女の存在は知っていましたし、それだけGoogleでのポジションを確立していた存在であったと言えます。
今日は、そんな米国Yahoo!の業績について簡単に見てみようと思います。
なお、以前のBizBlogでは日本Yahoo!のCEOが井上氏から宮坂氏へ若返り人事を行った際に、日本Yahoo!については簡単に業績の確認をしています。参考までにご覧ください。
◆米Yahoo!の業績推移
米Yahoo!の業績推移は次のとおりです。
<売上高>
【リソース】米Yahoo!の10-Kを筆者が集計。
2008年から売上が右肩下がりですが、2011年度では売上高が 大幅に減少し5000百万米ドル(約3950億円)を下回る結果となってしまいました。
Yahoo!にとっては厳しい結果となっていますね。
次は利益推移です。
<利益推移>
【リソース】米Yahoo!の10-Kを筆者が集計。
2008年度はIncme from operationsでぎりぎりの黒字であったところから利益ベースでは大幅に回復しています。
Yahoo!は多額のEarnings in equity interests(持分法投資損益)を計上することからIncome from operatings よりもNet incomeのほうが大きくなる特徴を持っています。
なお、日本のYahoo!の親会社はソフトバンクで35.45%、米国Yahoo!は34.74%の保有で第2位です(平成24年3月末現在。有価証券報告書より。)。
セグメントの推移をみると次のとおりです。
<セグメント推移>
【リソース】米Yahoo!の10-Kを筆者が集計。
米Yahoo!のセグメントは3つで、Display(埋込型)、Search(検索型)、Other(その他)になります。
Display広告はYahoo!のトップページに出ている右側のバナー広告ですね。
Searchはリスティング広告で、検索すると検索画面で出てくる広告ですね。
日本のYahoo!のトップページだと「ブランドパネルトリプルサイズ」という商品名らしく、1週間掲載で1250万円だそうです。
【参考】Yahoo!Japanのディスプレイ広告料 http://advertising.yahoo.co.jp/ad/display/
さて、このグラフでもわかるように、売上の急減の要因はSearchの売上ですね。
GoogleとYahoo!は検索2大巨頭でしたが、検索エンジンではGoogleに負けてしまい、Microsoftと検索強化で提携したものの効果が出し切れていない状況です。
また、広告媒体として急成長を遂げたSNSのFacebookもYahoo!の経営を悪化させている要因だと考えられます。
こうした中で、今年の4月には2000人の人員削減のリストラ案も発表され、375百万米ドル(約296億円)の費用削減効果が期待できるとしています。
■2012年4月4日 米Yahoo!公表 "Yahoo! Outlines Restructuring"
【リソース】Yahoo!のHPより
米Yahoo!はこの数年間で幾度となくCEOが交代しています。
今回の新CEOのメイヤー氏がどこまでYahoo!を回復させることができるのか。
注目していきたいところですね。
以 上
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