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今日は日経1面、トヨタの決算発表の話題から。
<2012年5月10日 日経朝刊1面・11面 記事要約>
・トヨタ自動車は9日、2013年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前期の約2.8倍の1兆円になると発表した。1兆円を回復するのは5年ぶり。
・前期に東日本大震災やタイ洪水の影響で落ち込んだ自動車生産が回復し、北米やアジアの販売が拡大する。
・売上高は22兆円と18増。純利益は約2.7倍の7600億円。為替の想定レートは1ドル80円。
・配当予想は未定とする一方「安定的に配当したい」としている。
・なお、同日発表した2012年3月期の連結決算は売上高が前期比2%減の約18兆5千億円、営業利益は24%減の3556億円だった。
<要約記事はここまで>
トヨタの2012年3月期の決算発表と2013年3月期の見込みが発表されました。
2013年3月期には営業利益1兆円に回復する見込みとのことです。
今日は、決算発表資料を詳しくみていくことにします。
■トヨタ自動車株式会社2012年5月9日公表『2012年3月期決算説明会』
【リソース】トヨタ自動車HPより http://www.toyota.co.jp/jpn/investors/financial_results/2012/
◆トヨタ自動車の趨勢分析
トヨタ自動車の直近5期と2013年3月期の予測値を含めた趨勢は以下のとおりです。
【リソース】IKP財務データベース
※2011年3月期まではIKP財務データベース。2012年3月期及び13年3月期(予)は決算概要。
これをみるとリーマンショック前の2008年3月期には及ばないものの、底打ちして順調に回復してきていることがわかります。
売上22兆円台、営業利益1兆円台は久しぶりの回復といえます。
2008年3月期は最終利益で1兆5000億円を超えていたので驚異的な成績といえますね。
◆2012年3月期実績の概要
2012年3月期は販売台数は微増であったものの減収減益となりました。
【リソース】2012年5月9日トヨタ自動車公表 『2012年3月期決算説明会』P6
【リソース】2012年5月9日トヨタ自動車公表 『2012年3月期決算説明会』P7
減益要因はおもに為替変動2500億円、労務費1000億円の増加が大きいものと考えられます。
今期はタイの洪水や歴史的な円高に見舞われたことから営業利益の減少圧力が強かったと言えます。
詳しい内訳は以下のとおりです。
【リソース】2012年5月9日トヨタ自動車公表 『2012年3月期決算説明会』P8
所在地別営業利益をみると以下のとおりです。
【リソース】2012年5月9日トヨタ自動車公表 『2012年3月期決算説明会』P9
これを見てもわかるようにトヨタは北米とアジアで利益を稼いでいます。
トヨタの欧州での存在は弱く、欧州戦略は1つの課題です。
以前のBizblogでもBMWとのディーゼルエンジンの提携等を取り上げました。
■ 2011/11/28 トヨタ、BMWと環境分野で提携交渉 ディーゼル車戦略
◆2013年3月期の見込み
2013年3月期は、北米とアジアの販売台数の大幅な増加が見込まれ、増収増益となるようです。
欧州債務危機で経済環境は厳しさをましていますが、新興国では小型車、先進国ではハイブリッド車を中心とした環境対応者を中心に販売が堅調に進むものと考えているようです。
【リソース】2012年5月9日トヨタ自動車公表 『2012年3月期決算説明会』P16
【リソース】2012年5月9日トヨタ自動車公表 『2012年3月期決算説明会』P17
最後に株価チャートをみてみましょう。
<トヨタ自動車(7203) 月足10年チャート>
【リソース】SBI証券より
最高値は2007年2月の8,350円から今日現在で3,170円。
リーマンショック以降、世界経済全体での先行き不透明感があるため、トヨタだけの問題ではないかもしれませんが、2008年3月期の最終利益1兆5000億円からは遠く及ばない決算状況であることは間違いありません。
自動車産業は雇用を創造する基幹産業です。採算性をある程度無視してでも国内生産にこだわるなどの社会的責任を果たそうとしているのも事実です。
GMが息を吹き返し、いすゞとの提携などもニュースになってますが、今後のトヨタの世界展開に注目していきたいですね。
以 上
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