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今日は、日経朝刊13面のしまむら中国進出の記事からです。
【記事要約】
・しまむらは中国本土に進出する。
・4月に上海に1号店を開き、2年間で10店舗に広げる。
・4月に開く中国1号店は、上海市内の商業施設に入居し、売り場面積は約1千平方メートルと日本のファッションセンターしまむらとほぼ同じ大きさ。品揃えや価格帯も日本と同等とする。
・また、1号店開業に合わせ上海市内で倉庫を借り、自社物流センターに改装。進出当初から商品の仕分けなどをする物流センターを海外に開設する。中国に工場を持つメーカーから仕入れた商品をセンター内で店別に仕分ける。仕入れ先に輸送を委託するよりも、各店に商品を運ぶ際のトラックの積載効率を上げたり効率的な輸送ルート整えたりできるという。
・しまむらはユニクロのようなSPA(製造小売り)と異なり、商品生産には関わっていない。その代わり、しまむらは効率的な物流網を築いてコスト削減することで、低価格で商品を販売することを可能とし、日本成長してきた。日本で強みとする物流体制を中国でも整え、早期に事業モデルを確立する。
・中間層が急拡大する中国市場で事業拡大を目指し、ファーストリテーリングの「ユニクロ」やハニーズなど日本のアパレルの出店攻勢が広がっている。ファーストリテーリングは12年8月期に「ユニクロ」を60店出店する計画。ハニーズは12年5月期だけで180店の新規出店を予定。
アパレルの業態としては、ユニクロなどファッション商品の企画から生産、販売までの機能を垂直統合した「SPA(製造小売り)型」、しまむらなど商品生産には関わらない「セレクトショップ・仕入れ型」、ニッセンやZOZOTOWNなどの「通販型」、ワールドやオンワードなどの「メーカー型」に大きく分類することができることは以前のビズブロでも紹介しましたね。
■ 2011/12/13 ポイント、1割減益 女性向け衣料低迷
そして、そんなアパレル業界で海外展開の進んでいる企業とといえば、ユニクロとオンワード。
ファーストリテーリングの直近決算(2011年8月期)の海外売上高は、”18.44%”。
オンワードの直近決算(2011年2月期)の海外売上高は、”16.03%”。
一方、しまむらの直近決算(2011年2月期)の海外売上高は”10%未満”と上記2社と比較し出遅れていました。特に小売業は少子高齢化など今後国内市場の縮小が見えているため、海外展開などの新たな成長戦略の構築が急務であったと思われます。
最後のしまむらの財務情報を簡単に見てみます。
<しまむら 財務情報>
■ しまむら_四半期財務情報(2011年2月期~2012年2月期).pdf(当社財務データベース)
■ しまむら_年度財務情報.pdf(当社財務データベース)
業績は右肩上がり。利益率も非常に安定しています。
一方、SPAのファーストリテーリングは以下のとおり。
<ファーストリテーリング 財務情報>
■ ファーストリテーリング_四半期財務情報(2011年8月期~2012年8月期).pdf(当社財務データベース)
■ ファーストリテーリング_年度財務情報.pdf(当社財務データベース)
(上記グラフはファーストリテーリングHPより)
売上規模はしまむらの約2倍、営業利益率もしまむらが近年9%程度のことろ、ファーストリテーリングは14%程度と高利益率を上げています。
ただし、ファーストリテーリングはSPA型。商品生産の部分まで関与するため、仕入れ・セレクトショップ型と比較し、事業リスクが高いかもしれません。そのため、リスク&リターンで考えると両者のどちらが良いか一概に言えません。
また、上記グラフを見ると、近年成長率という側面では、しまむらが上回っています。
海外進出の面では、後発隊のしまむら。
物流ノウハウの強さを中国でも発揮できるのか楽しみですね。
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