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2012/03/15 武田薬品工業 稼ぐ開発へ

現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。

今日は、日経朝刊11面の武田薬品工業の特集記事「武田 針路を探る」についてです。

 

【記事要約】


・武田薬品工業が世界企業への脱皮を急いでいる。主力薬の特許切れなどで事業環境は厳しさを増す。

・この4年間で約2兆円を企業買収と投じたが欧米大手の背中はなお遠い。規模を追いながら、組織も人材も一気にグルーバル化する。研究開発や国内外の営業の現場で改革が動き出した。

武田の研究開発効率は世界で見れば最低の水準。糖尿病や胃潰瘍など分野ごとに専門性が高い研究者は多いがビジネスとしての採算性を考えられる人材は乏しい。どう稼ぐか、研究者に意識改革を迫る。

天明元年(1781年)の創業。日本の大手企業屈指の歴史を誇る武田で、外国人の部門トップへ登用が相次ぐ

・08年に買収した米ミレニアム・ファーマシューティカルズ。常に欧米大手との競争を意識し採算性を重視しするミレニアムの姿勢に武田の研究者は完膚なきまで叩きのめされた。アナリストはミレニアム買収にかけた89億ドルは相場より高額とされたが、同社の人材によって新薬候補の適切な価値判断が可能になったと評価する。

・ 「費用対効果」を意識させる仕組みも採用。がんや精神病など4分野で専門組織を設け、トップには毎年の研究進展に責任を持たせる。武田の研究所で目標を達成できないと判断するれば、割り当てられた研究費を返上し浮いた費用で他社から技術導入しなければならない。「学者集団」でいることは許されない

・自らの弱みを認め、外部の異才を招いて世界標準に経営手法を変える

・1400億円を投じて昨年2月稼働した湘南研究所に社外との共同研究の施設を設け、中国などアジアで新卒採用を開始。「同質」「自前」を抜け出す武田の取り組みが次の段階に入る


 

武田の経営手法の転換に関する記事でした。

2010年問題に絡んだ武田の収益構造の転換に関しては以前のビズブロで取り上げましたね。

また、医薬品業界の「2010年問題」については以下の過去のビズブロを参考にしてください。

 

2012/02/17 武田薬品、5新薬投入 収益源多様化

2012/01/17 エーザイ 欧米で抗てんかん薬来年度発売

 

前回は武田薬品工業の収益構造について触れたので今回は、業績推移状況を見てみてみます。 

今期の業績予想を含む過去5年間の業績推移及び今期の四半期の業績予測に対する進捗率は以下のとおりとなります。

武田薬品工業 5期業績推移>  

 

<武田薬品工業 今期業績予想と進捗率> 

 

■ 武田薬品工業_四半期(2011-2012).pdf (当社財務DBより)

 

 

(単位:百万円)

第1四半期

(累積)

第2四半期

(累積)

第3四半期

(累積)

2011年12月期

(業績予想) 

売上高 357,219 702,502 1,127,608 1,510,000
営業利益 116,210 211,046 265,019 270,000
経常利益 119,236 209,551 265,079 270,000

当期純利益

(四半期純利益)

75,584 135,660 160,607 130,000
売上高進捗率 23.65% 46.52% 74.67%

 

ここ数年売上高は横ばい、利益率は下落傾向にあります。

世界を見渡すと世界第一の米ファイザーは売上高5兆レベルと国内首位の武田は世界では売上高12位とまだまだ中堅レベル。

 

大型医薬品への依拠する過去の収益構造からの脱却、採算主義の徹底、外国人管理者の登用など経営手法の転嫁期にある武田薬品工業。

 

米ファイザーやスイスのノバルティスなど欧米の医薬品メーカ-にさらに突き放されるのか、追いつけるのか、今後の展開に注目したいと思います。

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