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今日は、日経一面の特集「ニッポンの企業力」で「ハローキティ」のキャラクター戦略が取り上げられていたので、サンリオについて取り上げます。
【要約記事】
・人気キャラクター「ハローキティ」がアジアから世界に広がっている。
・キティの商標権を持つサンリオと、ライセンス契約を結んだ欧米の企業数は2008年以降に急増。200社から4倍以上に増えた。
・12年3月期の営業利益予想は前期比21%増の181億円、5年前の約3倍。
・海外はライセンスによる収入が7割を占め、5年前の2割から跳ね上がった。
・直営店を通じた物販中心のビジネスモデルを変革、ライセンスビジネスへシフト。キャラクター商品の在庫や出店経費がかさむリスクを抱えながら拡販する「自前主義」と決別。30店以上あった米国の直営店はすべて閉めた。
・ライセンス先の企業がキティ関連商品の販売を伸ばせば、サンリオ収入が増える。
・昨年12月には幼児向けの絵本で知られる英国企業、ミスターメン(ロンドン)を買収。
・「米ウォールト・ディズニーと張り合うぐらいの規模にしたい」と経営者は意気込む。
サンリオというとサンリオピューロランドなどのテーマパーク事業などもありますが、テーマパーク事業の売上高は全体の6.7%(2011年3月期ベース)と、そのほどんどが文房具や台所食卓用品、グリーティングカード、ギフトブックなどの販売や著作権許諾などのソーシャル・コミュニケーション・ギフト事業が占めています。
そのなかで、直営店を通じた物販形態からライセンス(著作権)の許諾で稼ぐビジネスモデルへのシフトが功を奏しているようです。
以下、サンリオの業績推移を見てみます。
<サンリオ 業績推移>
■ サンリオ 過去4期分年度財務情報.pdf(当社財務データベース)
■ サンリオ 四半期財務情報(2012年3月期).pdf(当社財務データベース)
■ サンリオ 四半期財務情報(2011年3月期).pdf(当社財務データベース)
(出所:サンリオHP http://www.sanrio.co.jp/corporate/ir/highlight.html)
今期2012年3月期の営業利益18,100百万円と3年前の3倍、営業利益率も3年前の3倍の水準である24%を見込んでいます。
<サンリオ ロイヤリティ売上高の状況>
(上記は12/3期第3Q累計は9カ月分です)
実際、ロイヤリティ売上高および売上高に占める割合と業績の推移をグラフ化すると、ロイヤリティ売上高割合の上昇により、営業利益も上昇していることがわかりますね。
「日本のコンテンツ産業全体の収入の海外比率は約5%。米国の17%に遠く及ばない」「日本のアニメやゲームなどは高く評価されているがその強みを生かせていない」と同記事は伝えています。
モノづくりもさることながら、日本はアニメやゲームなど豊富なコンテンツを抱えるコンテンツ大国でもあります。
日本のコンテンツ産業が世界へ飛躍することを願ってやみません。
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