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今日は、日経朝刊13面のオンワードの話題から。
アパレル系の話題は以前のBizBlogでも取り上げました。
■ 2011/12/13 ポイント、1割減益 女性向け衣料低迷
【リソース】IKP BizBlogより
<2012年2月16日 日経朝刊13面 記事要約>
・婦人服の主力ブランド「ICB」で欧米に再進出する。今秋から北米、2013年には欧州で販売する。海外デザイナーと契約し、現地ニーズに応じた商品を新たに投入する。米国の新進デザイナーと契約しニューヨークに専門のデザイン事務所を新設。
・ICBは欧米で過去に撤退した経緯がある。それでも日本国内のアパレル市場の低迷を背景に海外事業強化の柱にする。ICBは1995年に欧米に進出。当時は日本の企画商品を展開し、現地の流行などを取り込みが遅れ浸透しなかった。北米は02年、欧州は11年秋までに撤退していた。
・ブラウスやスカートなど160種類を投入する予定。価格は日本で現在展開しているICBと比べて2~3割程度高くする。
・百貨店を販路。13年にはニューヨークの路面店を新設、欧州にも出店。海外用のコレクションは欧米の店舗以外にアジアや日本国内など100店舗で取り扱う。
<記事要約はここまで>
アパレルメーカー大手のオンワードが、ICBブランドで欧米にリローンチとのことです。
◆アパレル・メーカーのステータス
アパレル関連には、SPA型、セレクトショップ、通販、メーカーといろいろありますが、メーカー型の各社ステータスは以下のとおりです。
<メーカー型アパレル>
ワールド | オンワード | TSI ※1 | 三陽商会 | |
証券番号 | 非上場 | 8016 | 3608 | 8011 |
直近売上高(百万円) | 305,541 | 244,550 | 156,223 | 112,057 |
直近営業利益(百万円) | 8,917 | 4,383 | 1,315 | 2,446 |
直近営業利益率(%) | 2.91% | 3.65% | 8.41% | 2.18% |
海外売上高(百万円) 海外売上比率(%) |
10%未満 |
39,225 (16.03%) |
10%未満 |
10%未満 |
個社財務情報(当社DB) | N/A | オンワード.pdf | N/A | 三陽商会.pdf |
ブランド等 | アンタイトル、indivi、タケオキクチ、index |
23区、組曲、ジルサンダー、ジョセフ、Calvin klein, Paul Smith他 |
ナノ・ユニバース、ステューシー、ナチュラルビューティー等 | バーバリー、エポカ、p-ルステュアート、ラバーラ |
※1 TSIは、サンエーインターナショナルと東京スタイルのHD会社となります。TSIは2011年6月に設立されたばかりなので年度財務情報なし。上記数値は、サンエーインターナショナルの平成22年8月期と東京スタイルの平成23年2月期の単純合算。
アパレルメーカーの最大手はワールドです。
ただ、ワールドはSPA型も志向しており、SPA業態として「百貨店型SPA」と「高感度型バイイングSPA業態」というカテゴライズで展開しています。百貨店型SPAではキャリア世代に『アンタイトル』や『インディヴィ』、ニューミセスには『リフレクト』ブランドで展開しています。
高感度型バイイングSPA業態では、路面店やファッションビルなどを中心に、『アクアガールズ』などを展開しています。ここではSPAといってもインポート商材などやバイイング商材も取り扱っているため、ユニクロのような完全SPAという感じでもなさそうです。
ワールドはご存知のとおり、MBOによって平成17年11月に非上場化しています。
ただ、有価証券報告書提出会社であるため、財務情報を入手することはできます。
◆アパレルの海外展開
上記のステータスをみてもわかるように、アパレルの海外展開は遅れています。
ワールドも中国等で展開はしているものの、90%超が国内売上である状況で、メーカー型のアパレル業態では海外展開が進んでいないことがよくわかりますね。
ユニクロを展開するファーストリテイリングは海外事業を積極的に展開しており、日本のファストファッションの代表として、海外売上高比率は2割弱までなっています。
ファーストリテイリングと同様のSPA型のハニーズも中国を中心に展開を進めています。
オンワードは、以前のBizBlogでも解説したように、欧州人気ブランドのジルサンダーやジョセフを傘下に収めているため、欧州の売上比率が非常に高くなっています。
ただ、ブランド買収による成長にも限界があるのも事実で、独自のICBブランドにより海外展開に再挑戦することになったようです。
国内市場の縮小と乱立するアパレル企業により競争は激化しています。
アパレルの海外展開は今後の大きな課題と言えます。
いわゆる「衣食住」は、どの国にもある内需型産業の花形で、海外展開はそれほど容易ではありません。
飲食店でもアジア展開を加速させているように、アパレル業界も遅れながらの海外展開となるかと思われます。
今後の展開に注目していきたいところですね。
以上
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