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今日は、2012年1月30日の日本経済新聞(12面)で史上最年少上場果たした村上太一社長率いるリブセンスの記事が掲載されていたので、リブセンスについて見てみます。
ジョブセンスのホームページ:http://www.livesense.co.jp/
リブセンスが運営する求人サイト「ジョブセンス」:http://j-sen.jp/
【記事の要約】
・掲載料不要の求人サイトを運営するリブセンスが2011年12月、東証マザーズに上場。社長の村上太一氏は25歳、最年少上場記録を塗り替えた。
・「アルバイト募集」の張り紙を多く見かけるのに、ネットで欲しい求人情報に行き当たらない、高校生のとき感じた不便さがリブセンス立ち上げのきっかけとのこと。
・村上氏は、早稲田大学に入るとすぐ、起業家を養成する講座に参加、村上氏の事業モデルは最優秀賞に輝いた。大学から与えられた企業支援オフィスでモデルを磨き、リブセンスを2006年(平成18年)設立。
・企業当初は苦労続きだった。小売店や飲食店に電話し、求人情報をひたすら集めたが、知名度不足で肝心の求職者が集まらない。そこで打った手が検索サイトで「アルバイト」で検索すると、上位にジョブセンスが来るような工夫。気の遠くなる作業の結果、少しずつ成功報酬が増え始めた。
また、同記事でリブセンスのビジネスモデルも紹介されています。要点以下のとおり。
・リブセンスの求人サイト「ジョブセンス」は同業他社と異なり、情報掲載料を取らない。サイト経由で採用が決まると、掲載した企業から成功報酬をもらう。
・職を得た人には、リブセンスに就職内定を報告することにより、リブセンスから「お祝い金」最大2万円が贈られる。
・リブセンスは祝い金を支払うことで、求人情報を出した企業が雇用したことを確認することができる。
広告掲載を希望する企業にとっては成功報酬型広告のため、無駄な広告料を払わなくて済む。また、求職者にとっては、当該サイトを利用して職を見つければ、お祝い金をもらうことができる。求人広告を打ちたい企業と求職者のWin-Winの関係を構築することに成功したわけですね。また、成功報酬型広告にするためには、求人広告を提携した企業が求人サイト「ジョブセンス」経由で雇用したかどうかの情報が必要ですが、それは内定者が祝い金をリブセンスに申請する仕組みを構築することによって、広告の成果を確認することも可能となりました。
そのほか、賃貸不動産情報サイト「DOOR賃貸」:http://chintai.door.ac/ 、中古車情報サイト「Motors-net」:http://motors-net.jp/ など成功報酬型メディア事業を展開しており、今後のビジネス展開も楽しみです。
最後に株式公開(IPO)ステータスを整理してみます。
<IPO概況>
公開日 |
2011/12/7 |
コード |
6054 |
市場区分 |
マザーズ |
---|---|---|---|---|---|
設立年月日 |
2006/2/8 |
ホームページ |
|||
会社名 |
株式会社リブセンス |
業種 |
サービス業 | ||
事業内容 |
インターネットを利用した各種情報メディアの運営 | ||||
発行済株式総数 |
3,000,000株 (2011/9/28現在) |
資本金 |
15,000千円 (2011/9/28現在) |
従業員数 |
36名 (2011/9/30現在) |
主幹事証券 | 大和キャピタル・マーケッツ(株) | 監査法人 | 有限責任監査法人トーマツ | ||
公開価格 |
990円 |
初値 |
1,800円 | ||
上場時 発行済株式総数 |
3,450,000株 (公募450,000株を含む) |
公開株式数 (うち公募) (うち売出) |
753,200株 (450,000株) (303,200株)※ |
||
資金調達額 (うち公募) (うち売出) |
745百万円 (445百万円) (300百万円) |
時価総額 (初値) |
6,210百万円 |
※ うちオーバーアロットメントによる売出しは98,200株
<財務情報>
決算年月 |
2006年12月 |
2007年12月 |
2008年12月 |
2009年12月 |
2010年12月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高(千円) | 4,445 | 72,059 | 321,197 | 573,218 | 837,198 |
経常利益(千円) |
△99 |
31,080 | 152,756 | 214,858 | 217,515 |
当期純利益(千円) | △158 | 17,955 | 90,410 | 123,631 | 123,069 |
資本金(千円) | 3,000 | 3,000 | 15,000 | 15,000 | 15,000 |
純資産額(千円) | 2,841 | 20,797 | 123,208 | 246,839 | 369,909 |
総資産額(千円) | 3,753 | 36,052 | 202,032 | 362,755 | 437,371 |
一株当たり純資産(円) | 4.74 | 34.66 | 41.07 | 82.28 | 123.30 |
一株当たり当期純利益(円) | △0.26 | 29.93 | 81.34 | 41.21 | 41.02 |
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益(円) |
- | - | - | - | - |
監査の有無 |
対象外 | 対象外 | 対象外 | 対象 | 対象 |
※ 平成21年11月7日付の株式分割(1株につき50株)と平成23年9月28日付の株式分割(1株につき200株)に伴う影響を加味後
2006年2月設立ですから、成長スピードの凄まじさがわかりますね。初値は、公開価格の82%高という、市場の期待の高さも伺えます。
また、IPO時の有価証券届出書によると村上社長の同社の所有株式数は2,270,000株、そのうち同氏の売出株数は90,000株。よって、同氏はIPOにより売出で9,000万円近くの現金を得るとともに、株式時価総額で39億円(初値ベース)の財を形成したことになります。
まさに平成のサクセスストリーです。日本の新興市場が活気を取り戻す起爆剤になるといいですね。
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