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2012/01/20 日本郵船 フィリピン人船員倍増

現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。

本日は、2012年20日の日本経済新聞朝刊の”日本郵船”の記事を取り上げます。

 

記事の要点は以下のとおり。 


・日本郵船は2020年をメドにフィリピン人の船員を現在の2倍近い1万人規模に増やす。13年に現地商船大学を拡張して募集学生を5割増とするほか、研修施設も現在の3倍の規模に拡大し、受け入れ態勢を強化する。

・日本の海運93社が運航する船舶に乗る約4万7300人のうち、74%がフィリピン人となっている。

人件費が割安で英語が話せるフィリピン人はコスト削減を進める船舶各社が採用を増やしており、教育体制の充実で人材の囲い込みを急ぐ。


 

船員の実に7割以上がフィリピン人というのは驚きですね。 

それではまずは、国内海運大手3社を俯瞰してみます。

 

日本郵船 商船三井 川崎汽船
直近売上高(百万円) 1,929,169

1,543,660

985,084
直近営業利益(百万円) 122,346

123,400

58,609
直近営業利益率(%) 6.34

7.99

5.95
個社_年度財務DB(当社財務DBより) 日本郵船.pdf 商船三井.pdf 川崎汽船.pdf
比較_年度財務DB(当社財務DBより) 海運大手3社比較.pdf
セグメント情報等 下記参照 下記参照 下記参照

 

直近決算におけるセグメント別売上高・営業損益の状況は以下のとおりです。

 

■ 日本郵船

 

<セグメント内容> 

 セグメント  主要な事業・役務の内容
定期船事業
外航貨物海運業、船舶貸渡業、運送代理店
不定期専用船事業
外航・沿海貨物海運業、船舶貸渡業、運送代理店
物流事業
倉庫業、貨物運送取扱業
ターミナル関連事業
コンテナターミナル業、港湾運送業、曳船業
客船事業
客船の保有・運航業
航空運送事業
航空運送業
不動産業
不動産の賃貸・管理・販売業
その他の事業
機械器具卸売業(船舶用)、その他運輸付帯サービス業、
情報処理サービス業、石油製品の卸売業、その他

 

■ 商船三井

 

<セグメント内容>

「不定期専用船事業」は、ドライバルク船、油送船、LNG船、自動車専用船等の不定期専用船を保有、運航しております。

「コンテナ船事業」は、コンテナ船の保有、運航、コンテナターミナルの運営、運送代理店の展開などによりコンテナ定期航路を運営し、貨物輸送を行っております。また、ロジスティクス事業も行っております。

「フェリー・内航事業」は、フェリーを運航し、旅客並びに貨物輸送を行っております。また、内航貨物輸送も行っております。

「関連事業」は、不動産事業、客船事業、曳船業、商社事 業、建設業、人材派遣業などを営んでおります。

なお、商船三井は、セグメント調整として経常利益を用いています。

 

■ 川崎汽船

 

なお、不定期専用船事業セグメントにはドライバルク事業、自動車船事業、エネルギー資源輸送事業、重量物船事業、内航・フェリー事業を集約してる。

 

海運大手の3社とも、定期船および不定期船を半々に手掛けているようです。

ちなみに、”定期船” とは、一定の航路を定期的に航行する船舶をいい、 ”不定期船”とは、 特定の航路を定めず、貨物の有無によりその都度運航される船舶をいいます。定期船の代表としてコンテナ船で、不定期船の代表としてバラ積み船などが挙げられます。

 

船の種類については、各運航会社に写真付きでありますので参考にしてみてください。

・日本郵船 http://www.nyk.com/ir/financial/highlights/index_segment.htm

・商船三井 http://www.mol.co.jp/iroiro_fune/index.html

・川崎汽船 http://www.kline.co.jp/service/index.html

最後に日本郵船の業績について簡単に見てみます。

(以下のグラフは日本郵船HPより)

 

【日本郵船 売上高の推移】

【日本郵船 経常利益および経常利益率の推移】

 

リーマンショック前は、中国の鉄鉱石輸送などで莫大な利益を稼いできましたが、リーマンショックにより一転、急速に悪化しています。特に中国が鉄鉱石の世界的な高騰により国内の鉄鉱石に切り替える動きもあり、業績は不安定になっているようです。

【日本郵船 定期船および不定期船の業績の推移(四半期ベース;億単位)】

 

 

世界経済の減速感、燃料の高騰、競争激化による運賃低迷などにより、定期船事業は特に厳しいですね。

 

今回のフィリピン人確保の動きも、コスト削減が求められる海運業の厳しい環境の裏返しといえます。

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