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今日は任天堂の続報です。
任天堂は来年3月をめどに携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」向けソフトの販売で、追加課金型を導入する。購入したソフトで遊び終えた利用者が、希望すれば追加ゲームをインターネットでダウンロードできるようにする。追加料金は1回数百万円の見通し。任天堂は売り切りを原則としたゲームソフトの販売戦略を見直し、新市場を開拓する。
また、今月2月に発売した3DSは8月の大幅値下げと有力ソフトの投入が奏功し、25日までに国内販売台数400万台を突破した。
(日本経済新聞2011年12月27日朝刊)
今年、10月に任天堂が今期初の最終赤字の見通しのニュースについて取り上げましたが、3DSの販売好調と課金ゲーム導入によって巻き返しなるか注目ですね。過去記事も参考にご覧下さい。
【過去記事】
まずは、3DSの販売好調のニュースからです。
前機種のニンテンドーDSは世界で累計1億5千台という大ヒットゲーム機となりました。
その後継機種として「2011年2月末」に発売された「ニンテンドー3DS」ですが、国内販売台数は、任天堂のIR情報によると、2011年9月末時点で「213万台」です。
実際、任天堂のIR情報から、下記のとおり両者の販売台数のペースを比較してみました。
■ニンテンドーDS…約6か月で212万台(国内累計販売台数)
■ニンテンドー3DS…約7か月で213万台(国内累計販売台数)
ニンテンドー3DSの苦戦状況がわかります。
しかし、今年の年末商戦で、3DSは累計で400万台を突破し、2004年発売の「ニンテンドーDS」を上回るペースとなった模様です。「スーパーマリオ 3Dランド」「マリオカート7」が、3DS向けタイトルとして初めて100万本を突破し、牽引したようです。
不振、不振と叫ばれていた3DSですが、実際、2004年9月末に発売されたニンテンドーDSの販売台数推移をグラフ化してみると、大ヒットした年度は、発売から2年から3年後のようです。
ニンテンドー3DSもこのようなグラフを描けるか、今後の販売動向に注目です。
もう一つの”課金ゲーム”のニュース。課金ゲームというとモバゲーを展開するのディー・エヌ・エーやグリーなどのソーシャルゲームに代表されるビジネスモデルです。今期の業績予想を含め、任天堂とDeNAと過去4期の業績推移を比較してみます。(単位は百万円、ディー・エヌ・エーの年度予想は公表していません。)
【当社財務DBより】
まさに対照的な2者ですね。WiiやDSの販売が落ち込むとともに、次世代ゲーム機の投入時期の遅れにより業績の悪化の一途を辿る任天堂と、横浜ベイスターズ買収や会員数が2011年3月末時点で2,714万人と単純計算で国内人口の約20%がモバゲー会員という勢いのあるディー・エヌ・エー。ゲームを生業とする任天堂が勢いのあるビジネスモデルを取り込むのは、自然な流れといえます。
同記事によると任天堂は、「来年発売する新型の家庭用ゲーム機「Wii U」にも同様の機能を織り込む考え」のようです。当初は慎重な姿勢を示してきた任天堂ですが、「少しでも長く遊びたいという潜在的な需要がある判断、ネット課金で追加ゲームを提供する新たな販売戦略に乗り出す。ただし、ソーシャルゲームではゲームを有利に進めるために必要なアイテムを有料で提供しているが、任天堂はゲームの進行が有利になるような課金はしない」とのこと。
今後、「Wii」の後継機種である「Wii U」の投入と「3DSの巻き返し」、「課金ゲーム導入」によって、V字回復を達成することができるかどうか注目ですね。
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