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住宅大手が次世代省エネ住宅「スマートハウス」で、商品やサービスを拡充する。積水ハウスは災害時対応の家庭内エネルギー管理システム(HEMS)を導入した住宅を12月から販売。大和ハウス工業は住宅の購入者から二酸化炭素削減を買い取る新事業に乗り出す。スマートハウスの商戦が本格化するなか、付加価値を高めて独自性を打ち出す。
(2011年11月30日 日本経済新聞朝刊)
まずは、戸建住宅の大手2社の大和ハウス工業と積水ハウスのステータスを簡単に見てみます。
大和ハウス工業 | 積水ハウス | |
直近売上高 | 1,690,151百万円 | 1,488,369百万円 |
直近営業利益 | 87,697百万円 | 56,354百万円 |
直近営業利益率 | 5.19% | 3.79% |
セグメント情報 | 下記のとおり | 下記のとおり |
海外売上情報 | 連結売上10%未満のため詳細開示なし | 連結売上10%未満のため詳細開示なし |
直近住宅販売戸数 |
住宅:9,503戸 集合住宅:25,334戸 マンション:2,687戸 住宅販売戸数合計:37,414戸 |
戸建住宅:16,021戸 (鉄骨戸建:12,434戸、シャーウッド:3,587戸) 集合住宅:27,296戸 住宅販売戸数合計:43,317戸 |
特徴 |
集合住宅に強み 商業施設の開発やマンション開発も行う ホテル事業、介護施設の管理運営など多角化 |
戸建販売住宅国内首位 |
個社財務情報 | 大和ハウス工業.pdf | 積水ハウス.pdf |
比較財務情報 | 2社比較財務情報.pdf |
<セグメント別直近売上構成比>
■ 大和ハウス工業
戸建住宅 |
:戸建住宅の注文請負・分譲 |
賃貸住宅 |
:賃貸住宅の開発・建築、管理・運営、仲介 |
マンション | :マンションの開発・分譲・管理 |
住宅ストック | :増改築の請負や売買仲介 |
商業施設 | :商業施設の開発・構築、管理・運営 |
事業施設 | :物流・製造施設、医療介護施設の開発・建築、仮設建物の建築・管理・運営 |
健康余暇 | :リゾートホテル・ゴルフ場・フィットネスクラブ・介護施設の管理・運営 |
■ 積水ハウス
工業化住宅請負事業 | :自社の工場製造部材を使用する住宅の設計、施行及び請負 |
不動産販売事業 | :住宅、宅地の分譲、分譲宅地上に建築する住宅の設計、施行及び請負並びに都市再開発事業、商業ビル等の売買 |
不動産賃貸事業 | :不動産の賃貸借及び管理 |
その他事業 | :マンション、商業ビル等の設計、施行及び請負並びに住宅のリフォーム、造園、外溝工事の施行及び請負他 |
住宅販売戸数から大和ハウス工業は、賃貸向けの集合住宅に、積水ハウスは、戸建住宅に強みがあります。
また、大和ハウス工業は商業施設やマンションの開発の売上比率も高い一方、積水ハウスは、不動産賃貸事業が高く、住宅以外の分野でそれぞれ特徴があるようです。
そのほか、大和ハウス工業は、ホテル事業、介護施設の管理運営など多角化している点も特徴的ですね。
<セグメント別直近業績状況>
■ 大和ハウス工業 |
■ 積水ハウス |
|
セグメントの分類方法は両者で異なりますが、大和ハウス工業のマンション以外の住宅に係る売上高は、戸建住宅セグメントと賃貸住宅セグメントを合計して8,186億円。これに対し、積水ハウスの工業化住宅請負事業の7,045億。
住宅販売戸数では圧倒的に、積水ハウスの方が大きいですから、住宅販売単価が大和ハウス工業は高いようですね。
また、直近連結売上高営業利益率は、大和ハウス工業が5.19%、積水ハウスが3.79%となっていますが、大和ハウス工業の利益効率の良い商業施設事業がかなり寄与していることが読み取れます。
リーマンショック後、住宅着工数が急落しなかなか回復できない中、大和ハウス工業は商業施設事業で稼いでいるようですね。
そんな、戸建住宅大手の2社ですが、近年は太陽光発電などの環境型住宅に力を入てきましたが、次世代型省エネ住宅である「スマートハウス」の開発を強化するという記事。
スマートハウスとは、ITを使って家庭内のエネルギー消費を最適化する住宅です(同新聞より)。スマートメーター(ITや通信機能を備えた次世代電力計)とエネルギー管理システム(HEMS)により家庭内の発電と電気需要、蓄電を制御することによる家庭内のエネルギーの最適化を図ります。
同新聞によると、
積水ハウスの家庭内エネルギー管理システム(HEMS)は住宅に取り付けた太陽電池、築電池、燃料電池の3電池の電力情報を外部サーバーと自宅サーバーの両方で管理する。通常時は外部サーバーを活用し、外部先からパソコンやスマートフォンで使用状況をリアルタイムで閲覧できる。災害時は、自宅サーバー経由で蓄電池の残量などをスムーズに確認できる
とのこと。
スマートグリッド、スマートハウス…、スマートシティの要となるインフラや技術の開発が盛んになってきましたね。
スマートシティ構想は、もとはエネルギーの最適化が目的ですが、それは電力を使用する機器(家電や電気自動車など)すべてをネットワークで繋げることに他ならないと思います。別の言い方をすれば家電や自動車の情報機器化です。
近い将来家電や電機自動車をスマートフォンやタブレット端末で情報融通や遠隔操作したりする時代がやってくるのかもしれません。
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