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2011/11/29 鹿島 不動産部門強化 東京湾岸大規模マンション開発

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鹿島は東京湾岸の超高層マンション開発に乗り出す。東京都中央区の勝どき地区に約1300戸の大規模タワーマンションを整備し、2015年度に分譲する。従来、東京湾岸の大規模物件は不動産大手がほぼ独占的に供給してきた。ゼネコン(総合建設会社)最大手の参入で、東日本大震災の後に停滞してきた東京湾岸のマンション開発が一段と加速しそうだ。

(2011年11月29日 日本経済新聞朝刊より)


 

鹿島、清水建設、大成建設、大林組、竹中工務店を含め得た5社をスーパーゼネコンといったりしますが、上場している4社のステータスを見てみましょう。

 

鹿島 清水建設 大成建設 大林組
直近売上高 1,325,679百万円 1,303,755百万円 1,218,118百万円 1,131,864百万円

直近営業利益

17,272百万円

20,175百万円

36,294百万円

23,174百万円

直近営業利益率

1.30%

1.55%

2.98%

2.05%

直近建設受注高 11,884億円 11,425億円 11,314億円 11,083億円
セグメント情報 下記参照 下記参照 下記参照 下記参照
海外売上状況 下記参照 10%未満のため省略 10%未満のため省略 下記参照
特徴

超高層・耐震・原発などの技術に強み、土木にも強い

民間建築が主力 超高層ビルやダム、橋、トンネル、地下鉄などの大規模な建築土木工事を得意 都市開発に強み、スカイツリーも手掛ける
個社財務情報 鹿島.pdf 清水建設.pdf 大成建設.pdf 大林組.pdf
比較財務情報 4社比較情報.pdf

 

<セグメント別売上構成比> 

 

土木事業とは、建設事業のうち建築事業以外の事業をいい、道路、トンネル、ダム、橋、鉄道などの社会資本整備などの事業をいいます。

建築工事は、オフィスビル、マンション、学校施設などの建築にかかわる事業をいい、土木事業と建築事業の両者を合わせたもの建設事業といいます。そのほか、開発事業は、都市開発や不動産開発などの事業をいいます。 

 

セグメントの定義や分類方法は、会社ごとによって少々異なりますが、土木事業と建築事業の建設事業が7割~8割を占めています。

 

<海外売上高構成比>

 

また、鹿島大林組は海外売上高比率(特にアジア)が他の2社より高く海外進出が進んでいるようです。公共事業の縮小の中、海外に活路を求めていると思われます。

特に鹿島においてはドバイ都市鉄道とアルジェリア高速道路の海外土木工事で巨額の損失を計上したニュースは記憶に新しいところです。ドバイの工事は共同受託した大林組も2010年3月期に営業赤字に転落しました。

そんなスーパーゼネコンの中でも最大手といわれる鹿島の湾岸大規模マンションの開発参入。

 

同記事によると

総事業費は約664億円。鹿島はゼネコンとしての技術力を全面に打ち出し、液状化対策工事を施したうえ、制振装置や備蓄倉庫も備えた約180メートルの超高層物件を建設。12年度中に着工し、15年度に完成させる予定。

これまで、不動産大手が主導するマンション開発の共同企業体に参加することはあっても、主体的に湾岸の大型タワー物件開発を手掛けたことはなかった。しかし、不動産開発投資の幅を広げて、不動産大手が得意とする湾岸タワーマンション開発を手掛けることで、不動産部門の収益力を強化する狙いがあるとこのことです。

 

公共工事の減少や国内需要の低迷の中、建設以外の事業に活路を求めているようです。

直近5年間の鹿島のセグメント情報を集計してみました。

 

<鹿島セグメント別業績推移> 

 

 

※2011年3月期よりセグメントの分類方法が変更されています。

 

主力の建設事業は、売上高は減少傾向にあるなか、利益水準もリーマンショック後に急速に低迷してますね。

そんな厳しい市況の中、2007年から2009年においては、開発事業が売上規模こそ低いですが、営業損益を牽引していたことがわかります。

 

さらに、10年間での売上高、建設受注高のトレンドをグラフ化してみました。

 

<鹿島10年トレンド>

 

 

 

 

建設受注高の減少に伴い、売上高も減少していますが、営業利益率もここ4年ほど悪化していますね。公共事業の縮小等により国内市場規模事態の縮小の中、ゼネコン間での低入札による消耗戦が続いていると思われます。採算割れリスクが高まっているようです。

 

このような、国内市場のじり貧の中、海外売上高比率のトレンドを見てみると直近は減少気味ですが、上昇していますね。

海外特にアジアなどの新興国に活路を求めている傾向が読み取れます。

 

 

今回の東京湾岸のマンション開発参入も、このような、建設市場の厳しさの裏返しといえます。

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