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味の素は南米市場の開拓を加速する。現地法人を持つブラジルなどで販売を強化するほか、アルゼンチンやチリなどほぼ全域へ販売網を広げる。各流通業の発展度合いによって販売方式を変えて浸透を急ぐ。2016年度をめどに南米事業の売上高規模を10年度比2倍強の600億円に引き上げ、アジア地域に次ぐ海外事業の第2の柱としての位置付けを明確にする。
(日本経済新聞 2011年11月18日朝刊より)
味の素が、アジア市場の開拓に続き、南米市場の開拓に乗り出しましたね。
味の素の過去4年間の財務情報は下記のとおりです。
売上高、利益率も安定しており、かつ、自己資本比率も高く実に優良企業です。
さらに、調味料の国内の有名グランドといえば、味の素以外には、マヨネーズの「キューピー」や醤油の「キッコーマン」でしょうか。3社の直近の財務情報を比較すると下記のとおりです。
3社とも、利益率、自己資本比率ともに高いですね。調味料企業は優良企業ですね。
さらに、調味料企業の海外売上状況について調べるべく各社の有価証券報告書のセグメント情報から構成比をグラフにしてみました。
【海外売上状況】
■ 味の素
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新聞記事のとおり、海外食品事業や海外売上高の高いことが分かります。
売上高や営業損益の実に3割が海外事業で稼いでいることが読み取れます。
■ キッコーマン
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さらに、日本代表的な調味料である醤油を主製品であるキッコーマンはというと、こちらも海外食料品事業が売上高ベース40%、営業損益では60%と高い割合を占めています。
キッコーマンというと国内事業のイメージがありますが、海外展開が進んでいるんですね。
■ キューピー
有価証券報告書の海外売上高を見てみると、連結売上高に占める海外売上高の割合は10%未満のため詳細は情報をありません。
味の素やキッコーマンが、海外進出に力を入れる中、キューピーは海外進出があまり進んでいないようです。
マヨネーズは、 もともとフランス発祥のドレッシングで、すでに海外ではその地のブランド製品があるからでしょうか。
ただ、以前どこかの記事で日本のキューピーマヨネーズが、米amazonのマヨネーズ部門売上第1位となっているという記事を読んだことがあります。実際、米amazonのサイトを見てみると
・you'll never think of mayonnaise the same way again after trying Kewpie.
・The best mayo in the world.
・Best mayo of all!
など確かに絶賛のコメントが。日本の定番マヨネーズがアメリカでも人気のようですね。
キューピーはマヨネーズやドレッシングなどの海外での売上高を5年で3倍、2015年度に売上高に占める海外の比率を1割に高めるとしているようですので、国内マヨネーズ6割のシェアをもつキューピーマヨネーズが、世界のマヨネーズブランドになるのかどうか実に楽しみです。
寿司や天ぷら、ラーメンといった日本食が世界に羽ばたいている中、日本の調味料も世界に受け入れられているようです。 今後も日本の食文化が世界に広がっていくと思うと楽しみですね。
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